中国にまで駆けつけた横田真一の研究内容
2013/12/22 22:32
中国・広州市で行われたアジア選抜と欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」の会場で、日本のツアーではおなじみのプロを発見した。だが、出場する選手ではない。メディアがつけるゼッケンを着用し、手にしたノートには熱心になにごとか書き付けている。今回は別の肩書きで紹介した方が良いだろう。“順天堂大学 医学研究科 修士課程”で自律神経の研究をしている横田真一、その人だ。
横田が研究しているのは、交感神経と副交感神経のバランスがパフォーマンスに及ぼす影響について。簡単にいえば、交感神経は緊張や興奮で活発となり、逆に副交感神経は自信や安心によって増幅される。交感・副交感の両方が活発な状態が、いわゆる“ゾーン”に近いのだという。
練習日は石川遼のプレーに付き従いながら、交感神経と副交感神経のバランスをチェックして、プレー結果と照らし合わせていた。そんな横田の研究成果によって、選手たちのパフォーマンスが科学的に改善されていく日も近いのかもしれない。
アマチュアにとっては、朝イチのティショットや、パーで上がればベストスコア更新となる最終ホールなどは、緊張が強く交感神経が優位になる状態だという。そのままでは副交感神経が上がってこないので、「どうせ下手なんだから、当たればいいや」と開き直ったり、交感神経が優位になると動作が速くなる傾向を認識し、「ゆったりやろうとしてもできないから、パチンと打ってみる」等の工夫をするのが良いのでは? これが研究の内容をかみ砕いて教えてくれた横田からのアドバイスだ。(中国・広州市/今岡涼太)