2013年 マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント

後半失速で首位陥落も、池田勇太”全国制覇”へ望みつなぐ

2013/11/02 16:53
大ギャラリーを引き連れながらトーナメントを引っ張る池田勇太。最終日の1打差はないも同然か

兵庫県のABCゴルフ倶楽部で開催中の国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」3日目。予選ラウンド2日間でトップを走った池田勇太は、後半インでスコアを落とし「70」で通算11アンダー、最終日を前に単独首位の座をS.K.ホ(韓国)に譲った。

苦闘が続く同コースのグリーンとの戦い。しかしタッチが合わないのであれば、ショットをピンにとことん近づけるまで。前半はまさにそんなプレーぶりだった。

4番(パー5)、2オン2パットで最初のバーディを奪うと、5番では左ラフからの第2打を奥から傾斜で戻して80センチに付ける。圧巻は今年からパー5がパー4となった最難関ホールの6番。ティショットでフェアウェイ右サイドを捕えると、残り188ヤードを6番アイアンで右手前3メートルに付け、3連続バーディで後続を引き離した。

しかし「前半は良いゴルフだったんじゃないかと思うけれど、途中で流れが悪くなった」と、後半11番で最初のボギーを叩くと、14番では2メートルの下りのバーディチャンスから痛恨の3パットボギー。続く15番(パー5)では左ラフからの第2打で2オンを狙うも、ユーティリティでのショットがOBゾーンを越えず、打ち直しを余儀なくされた。「あそこは刻む方が難しいピン位置。球が浮いていたので、逆に“天ぷら”になってしまった」。結局2連続ボギーとなり、表情は一層硬くなった。

グリーンとの相性については、3日目を終わっても「気持ち悪くないパットの方が少ない。他の人は分からないけど、オレはタッチが合わない。感覚との誤差があるから自信を持ってプレーできない」と難色を示し続けている。それでも「今日の感じで良くここにいるなというところ。周りのスコアが思ったよりも伸びなかった」と、相対評価で戦局を読む冷静さは忘れていない。終盤17番のバーディも最終日へ大きな望みをつないだ。

昨年までに10勝を挙げたキャリアには、近畿地方での優勝が無い。北海道3勝、関東4勝、中部1勝、九州2勝という内訳に「良く言われるもん。関西は試合が多いのに勝ててないから。これで優勝できれば、だいたい(の地区)で勝つことになる」。“全国制覇”への意識も少なからずある。

毎日首をかしげながら、最終日最終組のプレーまでこぎつけた。ここまで来たら、苦手意識どうこうは言っていられない。(兵庫県加東市/桂川洋一)

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