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久保谷健一、奇跡の逆転賞金王のチャンスにも「いいんです、僕は」

高知県のKochi黒潮カントリークラブで開催中の国内男子ツアー「カシオワールドオープン」は3日目を終え、今季初勝利を狙うハン・ジュンゴン(韓国)が通算13アンダーで単独首位の座をキープ。そのトップから2打差の4位タイに久保谷健一が浮上してきた。

「3日目、4日目には通用しない“運だけのゴルフ”」とボヤキながら予選ラウンドを6アンダー10位タイで突破した久保谷。この第3ラウンドを終えた後も「危険な一日でした」「思うように振れない」「短いパットは全然ダメ。自分のクセ、病気」「ショットは『打ちたくない』と思っているところに面白いくらい行く」と、あらゆるネガティブ発言を並べてみせた。

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だがこの日は前半2番で6メートルのバーディパットを沈めると、5番は4メートル、6番は7メートルと立て続けに下りのラインを読みきってバーディを重ねる。「入らないだろう、と思っているのが入った。それが一番“癒し”になるね」。後半もロングパットが冴えわたり、10番、14番でバーディ。「67」と5つ伸ばして優勝争いに加わってきた。

一方でこの日、グリーン上で苦しみ2バーディ、1ボギーの「71」と伸び悩んだ藤田寛之は12位タイに後退。今大会終了後、次週の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を残して賞金王が確定させる可能性を残しているが、現在ランキング16位の久保谷も、今週から2連勝すれば逆転のチャンスがある。

だが、誰もが予想する通り、久保谷の頭にはそんな奇跡のストーリーは一切無い。「いいんです。僕は。来週頑張るから」。10月の「日本オープンゴルフ選手権競技」で国内メジャー通算2勝目をマーク。次の日本タイトルにも色気が出始めたところだ。「獲れないと思っていた2個目(のメジャー)が獲れちゃったから、3個目も欲しくなってきた。普段、欲は出ないんだけど、せっかく出られるチャンスをもらえたから。頭の中は来週のことばかり」

2打差逆転を狙う最終日。それでも「賞金王になって(ボーナス)1億円くれる、とかじゃないでしょう?(日本オープン優勝で)5年シードももらったからお腹いっぱい」。平然とした顔つきは、いつもとなんら変わらなかった(高知県芸西村/桂川洋一)

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