【GDO EYE】小林正則「遼が相手だったから勝てた!」
国内男子ツアーで今季から新設された「とおとうみ浜松オープン」の初代チャンピオンになったのは、プロ14年目の小林正則だった。最終日を首位と3打差の2位タイで迎えた小林は、2009年「ブリヂストンオープン」以来となる最終組でプレーし、その時は7位タイに終わったが「優勝したい」という強い気持ちでスタートした。
2番から3連続バーディを奪うと、9番(パー5)ではグリーン手前の花道からチップインイーグル。後半に入っても14番までに3つのバーディを積み重ねて通算21アンダーまで伸ばした。しかし「15番で(リーダーズ)ボード見たら、遼が1打差で追いかけてきていたので、まだまだ伸ばさないとダメだと思いました」と、追い上げる石川が終盤にバーディを奪うことを想定して自らも気合いを入れなおした。
ところが、16番(パー3)でボギーを叩いた小林が、18番で再度順位を確認すると、石川もボギーを叩いて同スコアで並んでいた。最終18番でバーディを奪えば小林の優勝が決まるという場面で、ティショットを右に曲げて2打目も右のラフへ。3打目をピン下3mに寄せたが、バーディパットはカップをかすめ、思わずひざを崩して悔しがった。
「終わった、と思いましたね。実はプレーオフ、相性悪いんですよ。チャレンジツアーで2回やって負けていますし。で、相手が遼でしょ。勝てる気はしなかったのですが、逆に気合いが入りましたね。1ホール目も、2ホール目も遼なら寄せてくるし、入れてくるはずだと思ってやっていたら、遼がバーディパットを外したので勝てちゃいました(笑)。意外だったのは、みんな遼の応援をするのかと思ったら、自分にも声をかけてくれて、嬉しかったですね。すごくやる気になりました」と優勝会見で話した。相手が人気、そして実績でも小林よりも格上の石川だったからこそ、プレーオフの苦手意識を忘れてプレーに集中できたようだ。(編集部:本橋英治)