谷原秀人が逆転優勝!1年11ヵ月ぶりにツアー通算9勝目を達成/チームPRGR
あれから2年近くの月日が流れようとしていた--。
「VanaH杯KBCオーガスタ」最終日(福岡県・芥屋ゴルフ倶楽部7146ヤード・パー72)。チームPRGRの谷原秀人は首位に1打差の2位タイで最終組スタート。1、2番ホールで連続バーディを早々に奪い、首位の座も奪取した。その後も好調なショットとパットでアンダーパーを量産。 16番ホールでは大会初日のスタートホール以来、68ホールぶりのボギーを叩き、首位タイとなった。
だが、谷原には冷静さと余裕があった。「残り17、18番ホールをバーディ、バーディで上がってみせる」。182ヤード・パー3の17番ホールでは、6番アイアンのピン左6メートルにつけ、このバーディパットをカップインさせると右手で拳を作り、力強く突き上げた。渾身のガッツ ポーズ。普段は、同じ組の選手のプレーに迷惑を掛けてはいけないという思いからガッツポーズを封印している。そんな谷原がガッツポーズを取るのは、08年9月の「パナソニックオープン」で優勝を決めた時以来だった。
最終18番ホール。初日から67・66・67と好スコアを積み重ね、この時点では通算23アンダーの単独首位。2位とは2打差も開いていること を知り、プレーに余裕が生まれた。パーパットはカップに嫌われ、大会4日間72ホールで3つめのボギーとしたものの、通算22アンダーでフィニッシュ。谷原は自己新記録のアンダーパースコアをマークし、逆転優勝でツアー通算9勝目を飾った。
8勝目からは、1年11ヵ月の月日が経った。
その間、もう勝てないのかも知れないという不安に襲われたこともあった。だが、台頭して来た10、20代の若手選手のアグレッシブなプレーに対峙し、「なんて思い切りがいい。なんて怖い者知らずなんだ。自分もかつてはそんなプレーをしていた」と谷原はかつての自分本来のゴルフを思い出した。ドライバーは曲がりを恐れずに思い切り振り抜き、アイアンショットはピンをデッドに狙う。
JGTOツアーでは唯一の高麗グリーンで開催される同大会。谷原はかつては苦手にしていた。きつい芝目と独特のグリーンスピード。予選を通過できない。しかし、08年大会でシルバーブレードパターのセンターシャフトタイプを使って11位タイの好成績を初めて収めた。昨年大会では単独4位。そして、今年も高麗グリーン対策としてシルバーブレードのTG-03csを使い、ニューeggスプーンも奏功して自身の最多アンダー記録更新という花を添えて逆転優勝を遂げたのだ。
前週大会の「関西オープン」で単独2位だったチームPRGRの矢野東も、最終日に67をマークして通算15アンダー・10位タイでベスト10入りフィニッシュ。
10週連続ベスト10入りの記録を矢野がマークしたのも、谷原と矢野とで賞金王争いを展開したのも08年。
あれから2年が経ったが、その月日が谷原と矢野を2年前以上により逞しく成長させたのかもしれない。強いぞPRGR!アゲイン!!の秋を迎えそうだ。