「みんゴル」でプレーした聖地へ 23歳・細野勇策が描く青写真
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(18日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆3177人)
つかみ取ったタイトルの重みは、勝者だけに与えられる切符が物語る。「日本オープン」を制した細野勇策に、2027年の海外メジャー「マスターズ」(ジョージア州/オーガスタナショナルGC)と「全英オープン」(スコットランド/セントアンドリュース オールドコース)への出場資格が与えられた。
すでに今年の米ツアー予選会(Qスクール)参戦を表明している23歳にとって、自身初のメジャー出場権は何よりうれしい。「子どもの時からテレビで見てきた夢の舞台。出られることが本当にうれしく思うし、出るからにはいい結果を求めて。“記念受験”にならないように、準備をしていい成績を出せるように頑張りたい」
ゴルフの祭典と呼ばれるマスターズは、映像を通じてタイガー・ウッズやロリー・マキロイ(北アイルランド)のプレーを目に焼き付けてきた。「体感してみないと分からないけど、本当に楽しみ」。そして、全英の会場はゴルフの聖地、セントアンドリュース。こちらは“プレー経験”があるという。
ただし、『みんゴル』(みんなのGOLF)のゲームの中で…。「あれだったら、バーディ獲れるんですけどね」と笑うと、すぐに表情を引き締めた。「強風も吹いて難しくなると思う。その中でもなんとか戦っていきたい」。ただ経験するだけではない。結果を残したいのは、来季から、主戦場を海外へ移す青写真があるから。
米ツアー参戦を目指し、12月1日から米国5会場で行われるセカンドステージへのエントリーを済ませた。航空券やホテルも予約済み。それは同時に、国内ツアーのラスト2大会となる「カシオワールドオープン」(11月26日開幕)と「日本シリーズJTカップ」(12月3日開幕)に出場できないことを意味する。年間王者争いを考えれば、この欠場は大きな決断になる。それでも、迷いはなかった。
ただ、11月「ダンロップフェニックス」終了時点で1位をキープできれば、12月10日から始まるファイナルステージ(フロリダ州TPCソーグラス・ダイズバレーコース、ソーグラスCC)から挑戦できる。その意味でも、ポイントが高い国内メジャーを制した価値は大きい。本大会の優勝で625ptを加算し、年間王者レースでは2位との差を約927ptまで広げた。「なんとか1位をキープしたい」。言葉に力が込もる。
前週に出場して33位に終わったPGAツアー「ベイカレントCレクサス」(神奈川・横浜CC)での1週間は、目指す舞台をより鮮明にした。ジュニア時代から知る同学年で、現在はPGAツアーを主戦場とする久常涼と朝食をともにし、世界最高峰のツアーで戦う日々の話を聞いたという。
海外で戦いたい思いは、日に日に強まっている。初の年間王者に輝き、新たなステージへ――。2つ目の日本タイトルを弾みに、一歩ずつ、その歩みを進めていく。(滋賀県甲賀市/中村文香)