ビリケンがパパ初V “パッパラパーのゴルフ”を経て13年ぶりに戻った藤本佳則の笑顔
◇国内男子◇関西オープン 最終日(17日)◇茨木CC東C(大阪)◇6734yd(パー70)◇晴れ(観衆3395人)
最終日の18ホールで、強面に浮かぶ笑みは絶えることがなかった。「昔はよう笑っていたんですよ」と、藤本佳則は言う。「自分のできることをしっかりとやろうと思って挑んだ。ホンマに実感していない。勝てたのはわかっているが、そんなに感動することもなく意外と冷静です」。6バーディ、1ボギーでベストスコアタイ「65」はやるべきことをやっただけ。気負いも力みも感じさせなかった。
最終組の1組前で1打差4位から出ると前半で3つ伸ばした。後半は11番でバンカーに入れてボギーを喫するが、12番で124ydをPWで右5mにつけてバウンスバック。13番(パー5)も連続で伸ばし、17番はティショットが右ラフに飛んだが、SWで奥3mにつけてバーディを奪い、同組で競り合う大堀を2打差と突き放し、事実上勝負を決めた。
2011年にプロ転向し、12年の国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権」で初優勝をあげたが、長く左肩、左親指痛に苦しんできた。前回優勝から12年216日というツアー史上3番目のブランクVに「痛くても痛いと言わない。基本的に痛いところはみんなあると思う。(状態が)あかんのに試合に出て、ゴルフもパッパラパーになった。そこから戻って来るのが思っていた以上に大変だった」。前週は下部ツアーにも参戦した36歳だが、ウェイトトレーニングは全盛期の70%に抑えてコンディション調整にも重きを置いている。
この日は3男の義都(よしと/5歳)くんが観戦に訪れた。「子供が産まれてからは勝ってなかったし、ゴルフをしているのは3人ともわかっている。優勝して頑張っているお父さんを見せられて良かった」。パパ初Vは格別の味だった。
奈良出身で大阪・通天閣の“福の神”とよく似た風貌で、ビリケンの愛称を持つ。「関西で試合をやるのは数少ないので、やっぱり関西で勝つのはひとつの目標。やっとレギュラーで戦えるかなというレベルまで戻ってきた」。100周年を迎えた関西ゴルフ連盟(KGU)主催で、日本最古のオープン競技「関西オープン」で頂点に立ち、笑顔で会場を後にした。(大阪府茨木市/玉木充)