LIVナンバーワン選手はもはや「セコい」 吉田泰基はインドで世界の壁を知る
◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(28日)◇西那須野CC(栃木)◇6956yd(パー71)◇晴れ(観衆1805人)
いつかは世界を相手にプレーしたい。吉田泰基は夢への第一歩を踏み出すため、昨年末にアジアンツアーの最終予選会を受験し、今季の出場権を手に入れた。1月の「フィリピンオープン」からさっそく参戦し「結構苦戦しています。芝の違いもある。選手層もレベルが高い。飛ぶ人はめちゃくちゃ飛ぶので、回っているコースが違うみたい」と壁の厚さを痛感しているところ。彼らの上手さ、強さは、誰もが知るビッグネームとなれば、想像を超えていた。
自身2戦目の1月末、「インターナショナルシリーズ インド」で予選落ちが決まってから、同じ試合に出場していたホアキン・ニーマン(チリ)のプレーを見に行った。今季すでに4勝を挙げているLIVゴルフのナンバーワン選手のプレーは圧巻。「もう、“セコい”としか言いようがないくらいショット力がスゴイ。『こう打ってください』という球しか打たないんです」とビックリ。「これくらいにならな、あかんなぁ」。大海を知った思いがした。
同ツアーでは5試合に出場してまだ決勝ラウンド進出がない。一方、シード3年目の日本ツアーでは直近8大会で予選落ちは「中日クラウンズ」の1試合だけ。今週は初日からスコアの伸ばし合いに加わり、ムービングデーに自己ベストの9バーディ「62」をたたき出した。「良い流れではあった。失速だけしないようにと思っていて、パッティングに助けられました」。最終18番では第2打がピンに当たって“OKバーディ”と、運も味方につけた。
ことし3月に女子プロ競技でもプレーしていたゴルファーの宮崎樹里さんと入籍。私生活が充実しているのはもちろん、夫人が以前に優勝した大会で獲得したパックごはん「サトウのごはん」(1年分)は今、食事面が不安なアジア遠征での心強い味方。吉田本人もサトウ食品と契約する中西直人がプロデュースする大会で優勝した際にゲットしており、なんと2年分のコメの蓄えがある。
通算17アンダーは首位の石坂友宏に1打差の2位。待望のツアー初勝利となれば、今度は「10年分」の優勝副賞が付いてくる。「また、行けますね」。海の向こうで飛躍するいつかの姿を頭に描いた。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)