バーディフィニッシュの「67」で予選通過 16歳の松山茉生は「攻めるゴルフを」
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 2日目(15日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7042yd(パー71)◇雨(観衆2151人)
17番(パー3)のボギーで通算1オーバーになったアマチュア松山茉生(まお)は「すごく焦ってました」と、ドキドキしながら最終18番(パー5)を迎えた。予選通過圏内から後退したことはわかっていた。ただ、やはりただの16歳ではない。マストのバーディをとるために、何が必要なのか冷静に考え、実行に移した。
「バーディをとる確率は2オンした方が高いと思って」。300ydドライブが当たり前の飛ばし屋の思考法。ティショットは左ラフに曲げたが、残り215yd。スタンスが左足が半分、右足は完全にラフから外れ、ベアグラウンド(土がむき出しになっている)部分になる。ボールの位置は段差の分、10cmほど高かった。
「でも、前方にせり出した木があって、ドローボールが必要だったので。少しクラブを短く持って」。つま先上がりのライはフックが出やすいというゴルフのセオリー通り、中途半端なライを生かした。5番アイアンの一振りは、手前ピン奥14mに2オン。イーグルトライを確実に寄せて、バーディをものにした。
ツアーデビューで17位になった9月下旬「バンテリン東海クラシック」以来、3試合ぶり2回目の予選通過だ。「東海クラシックもギリギリだったんですよね」と58位で滑り込んだ当時を笑顔で振り返った。しかし、同じ予選通過でも松山英樹、石川遼というビッグネーム2人と回る緊張感に耐えた結果だけに、もっと胸を晴れる。「ティショットの安定感。自分が下りにつけていても(2人は)ちゃんと上りで“攻める位置”につけている。そこに打てる技術…。いっぱいありました」と得たものは多い。
4オーバー79位で迎えた2日目を「カットラインは多分イーブンパー」と想定し、最低のノルマだった4アンダー「67」を達成した。「きょう4つ伸ばせたんで、決勝ラウンドは攻めるゴルフで5アンダー(66)を2日続けて上位を目指したいです」。失うものは何もなく、得るものばかりの16歳がイケイケの決勝ラウンドを展開する。(宮崎市/加藤裕一)