「KBCまではボロボロだった」 片岡大育が5季ぶりシード復帰のチャンス
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(7日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇晴れ(観衆4030人)
「相性は正直、あんまし良くないのかなと思って来たんですが」。片岡大育から苦笑が漏れたが、強い思いがあれば相性なんて関係ない。大会には過去4度出場して、予選落ちが2度で2016年の28位が自己ベスト。4アンダー4位と予想を上回る好スタートに、「上出来です」と苦笑が笑顔に変わった。
2019年にシードを手放し、今季はQTランク2位の資格で出場。出場人数が87人に絞られる今週はもともとフィールドに入っていなかったが、10月「ACNチャンピオンシップ」で6位に入って「直近のツアートーナメントで成績上位10位以内の者」のカテゴリーで出場権を獲得した。「せっかくのチャンスだったので、どうしても生かしたかった」と必死で調整して迎えた初日、ボギーなしの4バーディ「66」で回った。現在賞金ランク68位。5季ぶりのシード復帰に望みをつなぐスタートを切った。
「KBCオーガスタまでは、ボロボロだった」という。5月「For The Players By The Players」から8試合は予選落ち6試合、棄権2試合。「いままでは、ドライバーとアイアン以降を違うスイングでやっていた」と、シーズン序盤からスイングとクラブ調整が噛み合わない状態が続いていた。試行錯誤を重ねて、「いまはワンパターンのスイングでドライバーからサンドウェッジまでやれている」とかみ合い始めたのが8月「KBCオーガスタ」のころ。9試合ぶりの予選通過を果たして10位に入り、上向いてきた。
今季のシード獲得圏内とみられる1200万円までは、残り約424万円。シード復帰へのプレッシャーも頭をよぎるが、「まずは後悔しないショットとパット、良いリズムを心がけて。そしたら結果はついてくる」と目の前の一打に集中することを忘れない。「できるだけの準備はしてきた。それがうまく行っているフィーリングはある」と自信を持って残り3日に臨む。(静岡県御殿場市/谷口愛純)