「“散歩”なんて初めてした」 日本オープン3勝目を狙う稲森佑貴の徹底した準備
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(10日)◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉)◇7251yd(パー70)
「フェアウェイじゃないと、なんもできない」。“日本一曲げない”稲森佑貴には、もってこいの難セッティングだ。「ことしは本当に、本当にすごいって聞いていた」という“豪ラフ”から一度も球を打つことなく、7バーディ、3ボギー「67」で3アンダー3位。「日本オープン」3勝目へ弾みをつけた。
FWキープ率で8シーズン1位を守っていても、普段の練習ラウンドではラフからグリーンを狙うシチュエーションもチェックする。ただ、150~200㎜まで伸びたラフが待つ今週は話が別だ。「ほかのコースとは雲泥の差。どのホールもほとんど沈んでいるから、入ったら、58度で出す!」。外したらレイアップと割り切り、開幕前はフェアウェイからのショット練習に集中。どのエリアならフェアウェイを広く使えるか、どのバンカーならOKかを徹底してチェックした。
普段は移動で終える月曜も、今週はコースチェックのため9ホールをプレー。火曜はプロアマで18ホールを回り、水曜は大雨の中ウェッジを持って7ホールを歩き、雨が止んだタイミングで10番に戻ってラウンドした。
「“散歩”なんて初めてした。普段はこんなことやらないんだけど…」と初日を迎えた時点ですでにヘトヘトだったが、FWキープ率はキッチリ100%をマーク。「とりあえずティショットでフェアウェイをキープして、なんでも良いからとにかくグリーン周りまで持って行く」と3日間の準備が好スタートにつながった。
2018年に日本オープンで初優勝をあげ、20年には大会2勝目を飾っている。「一回目の優勝が日本オープンだったので、誰よりも欲は強い」。史上6人目の大会3勝を目指し、あくびを噛み殺して練習に向かった。(埼玉県狭山市/谷口愛純)