池ポチャ2回でもノーボギー 平田憲聖がスーパーチップイン「打った瞬間、イメージ通り」
◇国内男子◇パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2日目(20日)◇有馬ロイヤルGC ロイヤルコース(兵庫)◇7100yd(パー72)◇晴れ(観衆1248人)
最終18番、平田憲聖に試練が訪れた。ラフからのセカンドは逆目のライで、どれくらい飛ぶかが読めない状況。「最悪、奥のスタンドまで行ってからのアプローチでもいい。手前からよりは距離がない」という一打が右手前のガードバンカーのあごにつかまって転がり落ちた。
ピンまでは約25yd。しっかり距離が残ったタフなバンカーショットだったが、「結構、イメージ通り。打った瞬間“OK”くらいには寄ったかなと思った」。狙ったままのキャリーを出すことができたボールは、5ydほど転がってカップに吸い込まれた。夕暮れのコースを沸かせるチップインバーディ締めに思わずバンザイ。「最後に我慢していたご褒美が来た」と笑った。
初日は自己最多11バーディを奪って「62」をマークしたものの、午後組だったこの日は勝手が違った。前日から一気に硬くなったグリーンコンディションはホールによって差もあり、ボールがキャリーして初めて分かるといった具合。スピードへのアジャストもやっかいだったと振り返る。
1番でバーディ発進、9Iで右奥のピンを攻め込んだ6番(パー3)で2つ目を追加したが、7番で最初のトラブル。大きく打ち下ろすティショットさえ成功すれば最も易しいパー5で右ラフからのセカンドが引っかかって水しぶきを上げた。何とか3mのパーパットをねじ込み、再び池につかまった後半15番(パー5)もパーセーブ。18番も含め、賞金ランキング1位を走る23歳のピンチからの底力が際立つ。
通算14アンダーで勝俣陵と首位に並び、今季4勝目へ間違いなく上々のターンになった。ただ、本人は少しだけ不満げ。「結果的に同じパーでも、池に入っていなければ気持ちは違う。(全体として)ピンチはしのげたけど、チャンスは全く生かせなかったですし…」。ディフェンス面で神経をすり減らし、伸ばし切ることができなかったと悔しがるのも強さの証しだ。(神戸市北区/亀山泰宏)