初勝利へあと一歩届かず 金子駆大と永野竜太郎が悔やむのは
◇国内男子◇ANAオープン 最終日(15日)◇札幌GC 輪厚C(北海道)◇7066yd(パー72)◇曇り(観衆3532人)
1つ前の組を回った岩崎亜久竜に逆転された最終日最終組の2人は、ともに2打差でツアー初優勝を逃した。大会最年少優勝を狙った22歳の金子駆大は自己ベストの2位。36歳・永野竜太郎はキャリアで7回目の2位に終わった。
首位に3打差の3位から出た金子は、2オンした前半5番(パー5)から2連続バーディ。正確なパッティングで淡々とホールを進め、バックナインでいよいよ優勝争いの輪に飛び込んだ。「あまり緊張することはないんですけど、最後の3、4ホールくらいからプレッシャーというか『優勝争いをしているな』という感じはありました」。重圧を受けながらも、2打目をピン左1.5mにつけた15番のバーディで、岩崎に1打差に詰め寄った。
バーディでプレーオフに持ち込めた最終18番、グリーン右ラフからのチップショットが外れて万事休す。「ピンを狙いに行ったのが、体が浮いて右に行ってしまった」と悔やんだ。2パットボギーによる「68」で通算18アンダー。「最終組も経験できた。初めて最後まで優勝争いができたのは良かったですけど、やっぱり悔しいです」と唇をかみながらも、賞金ランキングは13位に浮上。今季未勝利の選手では11位の清水大成に次ぐ2番目にいる。
単独首位のリードを守り切れなかった36歳の永野に、念願の瞬間はまたしても訪れなかった。出だし1番、2番と2打目を2m以内に付けながらパーどまり。「バーディパットを決めきれなかったことに尽きると思います。ピンチらしいピンチもなく、チャンスにある程度付けることはできたが、決めきれずにスコアを伸ばせなかった」
パー3を除く14ホールのうち12ホールのティイングエリアで1Wを強振。「プレッシャー? ないことはなかったけれど、その中でやれるのは自分のプレーだけ」とスタイルを崩さず戦った。3m前後のチャンスだった8番(パー3)、9番(パー5)…。チャンスをものにしたかった場面は「71」のスコアカードにいくつもある。
「ショットは良いパフォーマンスは出せたかなと思う。あとはパッティングが決まってくれれば」。16年目でのツアー初勝利は次週「パナソニックオープン」(兵庫・有馬ロイヤルGC)以降にお預けになった。(北海道北広島市/桂川洋一)