2024年 ANAオープン

「風に勝つミスショット」って? 岩崎亜久竜は乱調でも3打差3位

2024/09/14 17:35
岩崎亜久竜は大荒れのショットに苦労しながら上位に踏みとどまった

◇国内男子◇ANAオープン 3日目(14日)◇札幌GC 輪厚C(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ(観衆3310人)

テレビ解説でおなじみ、ツアー通算9勝の佐藤信人が朝の取材中に首をひねっていた。「彼の持ち球はどっち…?」。ドライビングレンジで打ち分けの練習を繰り返すフェードとドロー。岩崎亜久竜はホールアウト後、悩んだ末に言った。「……どっちも、普通。得意じゃないです…」

基本の弾道を決めず、ロケーションや風によって、都度チョイスするのが岩崎流。ムービングデーは4つ目のバーディを決めた7番までは「完ぺきだった」。おかしくなったのは向かい風が吹いた8番(パー3)でローボールを放ってから。グリーンの左に落としてボギー。「急に人が変わって、球が散った」と劇的に苦しくなった。

ティショットを打てども、打てども「だいたい林。めっちゃ林」へ。公式発表の平均3.1m/sよりも強く吹いた風のせいじゃない。「自分のショットの影響っす」。左からの風にドローでぶつけても左へ、右からの風にフェードで戦わせても右へ。

優勝争いには違いない

「風が弱すぎた。風に勝つミスショット」。なんだか名言めいた表現の一打が延々と続き、「なんとかそのホールに収められるようにしていました。すごく長かったです。きょうは苦しすぎた…。ホントにひどかった」と息を吐く。6バーディ、3ボギーの「69」。通算14アンダーの3位で終えたとは思えない表情でフィニッシュした。

堂々と最終日を戦い抜き、初優勝した昨年「日本オープン」時の状態に比べて「めちゃくちゃ違う」と苦笑いする。今季初勝利の望みになりそうなのが最終18番のバーディ。LWで打った2打目が想定よりも追い風を受けず、ピン手前から15m残ったパットがカップに転がり込んだ。

「ガチで真っすぐ」というラインも“奇跡的”。「2段グリーンで3パットしないようにタッチを合わせようとしたら、たまたま入ってくれて。あしたに繋がりそうな…、繋がればいいな…」と、3打差の首位を追う日曜日を見据えた。(北海道北広島市/桂川洋一)

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