「バカなの?(笑)」先輩のアドバイスは聞いとくもんだ 下家秀琉“59”の後は“66”
◇国内男子◇ANAオープン 初日(12日)◇札幌GC 輪厚C(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ(観衆1730人)
「59」のインパクトはやっぱり絶大だった。前週の下部ABEMAツアー「PGM Challenge」で最終日に50台のマジックナンバーをマークし、初優勝した下家秀琉(しもけ・すぐる)は翌週のレギュラーツアーで変化を感じている。「あまり話したことがない先輩にも『ABEMA観てたよ』とか『ナイスだったね』って。こんな“ペーペー”に…」。22歳は恐縮しきりで身長180㎝の背中を丸くした。
今週は今季4試合目のレギュラーツアー。開幕2日前の練習ラウンドでは小平智、大阪学院大の先輩にあたる大堀裕次郎、今野大喜といった歴戦のプロと回れた。実は下家は本戦、かねて愛用してきたオデッセイの2ボールパターを別モデルにスイッチしようと考えていたという。
新しいパターを試し打ちする様子を見て、先輩たちは目を丸くした。「小平さんと裕次郎さんに『絶対に替えないほうがいい』、『59が出たのになんですぐに替えるんだ』、『バカなの?(笑)』って言われました」。ルーキーは頭に描いたプランを却下。後ろ髪を引かれつつ、エースパターで試合を迎えることにした。
その甲斐があった。初日にいきなり7バーディ、1ボギーの「66」をマーク。前半17番(パー5)では刻んだ2打目のショットミスをカバーするように、10m近いバーディパットがカップに沈んだ。「(先週と)変わらずパットが入ってくれて、このスコアになった感じ」と6アンダーの4位発進を喜び、「(小平らの)言うことを聞いてよかったです」と感謝した。
プロ初勝利でちょっぴり周囲の反応が変わっても、心境は数日前と同じだという。「目の前の一打に集中って感じで、先週と同様です」。6月の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」では5位フィニッシュ。もっと上だって狙える。(北海道北広島市/桂川洋一)