昨年の優勝スコアまであと1打 河本力が姉・結の誕生日に好スタート
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 初日(29日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)◇雨(観衆574人)
昨年の優勝スコアに、初日であと1打まで迫った。河本力が8バーディ、1ボギー「63」で回って7アンダー暫定単独首位。2022年「三井住友VISA太平洋マスターズ」第3ラウンド以来3度目となるツアー自己ベストストロークタイをマークして、22年「バンテリン東海クラシック」以来の3勝目へ好スタートを切った。
「目標は2アンダーだったので、大きくクリアできて満足できるラウンドでした」と振り返る。持ち前のパワーに加え、ショートゲームの好調さがスコアにつながった。「湿度も高くて全然飛んでいない気がするけど、飛ばないでいてくれたほうがコントロールしやすい」と今季ツアートップの平均飛距離は314.65ydだったが、パット数は前週「Sansan KBCオーガスタ」第2ラウンドに並ぶ今季自己最少タイ「24」とさえわたった。
600ydの14番(パー5)はティショットのミスで283yd残ったが、グリーン横のカラーまで運んで“2パット”で入れてバーディ。後半6番(パー5・585yd)も4Iの2打目をグリーン左奥のカラーに落とし、パターを握って2打で入れてスコアを伸ばした。
8番(パー5)は3打目のアプローチがカップを5mオーバーしたが、これを沈めて通算7アンダー。2番、7番(パー3)、16番(パー3)はパーオンを外したが、アプローチで寄せて1パットのパー。ピンチが来てもスコアを崩さなかった。
「満足いくショットがたくさん打てるようになったのは、すごく久しぶりの感覚」。手ごたえを感じ始めたのは2試合前の「横浜ミナトチャンピオンシップ」から。開幕前に女子プロゴルファーの姉・河本結に体の使い方でアドバイスをもらってからショットの調子が良くなった。前週「Sansan KBCオーガスタ」は今季初トップ10の10位。「ゴルフ脳がすごい」と尊敬する姉には頭があがらない。
8月29日は姉の26歳の誕生日で、スタート前にはLINEでメッセージを送った。姉は前週のメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」を29位で終え、今週はお休みだ。もしかしたら、会場にプレーを見に来てくれるかもしれない。「4ラウンド戦えるように、しっかり気持ちを引き締めていこうと思います」と尊敬する姉の存在は、いつも起爆剤になっている。(山梨県河口湖町/谷口愛純)