「何かあるぞ?」木下稜介が全英で気づいたトップ選手の共通点
◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 事前(7日)◇横浜CC(神奈川)◇7207yd(パー71)
2週前の海外メジャー「全英オープン」は予選落ちだった。3年ぶり2度目の挑戦を跳ね返され、木下稜介は「通用しなかった。レベルの差を改めて感じましたし、何かを変えないといけない」と振り返る。ただ、手ぶらでは帰らなかった。「何かあるぞ」と感じ、見つけたトップ選手の共通点が10位発進につながった。
「ピンタイプのパターを使っている選手が、圧倒的に少ない」。タイガー・ウッズや松山英樹らピン型愛用者はもちろんいるが、目についたのは大型ヘッド。今季メジャー2勝のザンダー・シャウフェレはオデッセイのツノ型。世界ランク1位のスコッティ・シェフラーやロリー・マキロイ(北アイルランド)は、テーラーメイドのスパイダーだ。
「何か良い理由があるから使っている。まずは真似しよう」。帰国後すぐにスパイダーツアーXをテスト。マキロイへの憧れから、同モデルのショートスラントネックをチョイス、この日初めて試合で使った。
ピン型のエースパターを10年以上使ってきた。通算3勝もともにしたが、「ピンタイプは繊細すぎて、テークバックで“インに上がりすぎた、アウトに上がりすぎた”というのが気になってしまう」という悩みがあった。それに比べて「スパイダーは、セットアップしたら迷わず上げられる」と言い、今週は思い切って、エースを自宅に置いてきた。
「今まではカップまでの真ん中くらいで“入らない”とわかったけど、ラインに乗りやすいから最後までどうなるかわからない。スパイダーは、外れ方も良いんです」と、ストロークがしやすくなった。7バーディ、2ボギー「66」の好スタートを支えた。
木下は言う。「全英で味わった悔しい思いは、全英でしか返せない。もう一度あの場所でプレーできるように、いまはできる試合を全力で頑張りたい」。まずは今季2勝目へ。目の前の一試合が、未来のリベンジにつながるはずだ。(横浜市保土ケ谷区/谷口愛純)