女子プロから得たパターのヒント 阿久津未来也は“1カ月25ラウンド”
◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 初日(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7207yd(パー71)
今年の7月、阿久津未来也はラウンドしまくった。その数なんと“25ラウンド”。チャリティやジュニアイベントへの参加、富山県で開催された「北陸オープン」出場など、気づけば毎日のようにゴルフ場にいた。忙しい日々だったが、苦しんでいたパッティングのヒントをつかめたのだから儲けものかもしれない。
今大会の2週間前、阿久津は今週の女子ツアー「NEC軽井沢72ゴルフ」が行われる軽井沢72G北コース(長野)にいた。「リシャール・ミル ジャパン」が開催したチャリティーペアマッチに参加するためで、イベントには男女合計28人のプロが集結。阿久津は女子プロを見てパター復調のきっかけをつかんだ。
ラウンドをともにしたのはペアの菊地絵理香と青木瀬令奈。2人ともツアーで複数回優勝している実力者だ。特に勉強になったのはライン読み。阿久津はこれまでカップから逆算して考えていたが、青木の場合はブレイクポイント(曲がりの頂点)とカップを線で結んでラインを読んでいるようだった。「タッチもジャスト系で自分も参考にしやすい」とすぐさま自身のプレーにも取り入れた。
影響を受けたのは技術面だけではない。「やっぱり勝っている人の考え方って、男女問わずすごい。グリーン上で2人が『打ち上げって見てる?』とか『例年オーバーするよね』っていう会話をされていて。もちろんふざけた話もするけど、何年も第一線で戦っている2人がそういうことを話すっていうのが、素晴らしいなって思った」。ちょっとした会話にも背筋が伸びる。
「北陸オープン」でアドレスにひらめきもあり、パッティングが復調した。この日は開始10番でいきなり10mのロングパットを入れると、16番で5m、5番で4mと距離のあるパットを沈めた。8バーディ、1ボギー「64」で1打差の2位発進を決めた。
今大会はツアーで初めてショートパンツ(短パン)着用が解禁されている。「洋服を語らせたら長いですよ」と言う阿久津も洒落たデザインのカラフルな短パンを着用。「メーカーさんも履いてほしいのがあったみたいで、喜んでいた。本当はシャツも出したいくらい暑いから、プレーは断然しやすいですね。来年もぜひお願いします(笑)」。灼熱の横浜で8年目のプロ初勝利を狙う。(横浜市保土ケ谷区/合田拓斗)