“やらず嫌い”を克服したら癖になった トレーニングに目覚めた前田光史朗が2位
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(14日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7096yd(パー71)◇晴れ(観衆3819人)
プロ転向2年目の前田光史朗が最終日に「65」とチャージして通算16アンダー、今季自己最高の2位に入った。「きのうまであまり入らなかった3~4mのパットが入ってくれました」。12位スタートから前半4番からの4連続、上がり4ホールで3つと7バーディを量産した。
トレーニングが「嫌い」と言い、日大時代などの“朝練”以外は極力避けてきた。しかし、ルーキーイヤーの昨季に賞金ランキング42位で初シードを決めた後、部門別スタッツをじっくり見て、腹をくくった。
「ドライビングディスタンス(DD)とパーオン率で明確に周りと差があった」。278.78ydのDDは80位、64.176%のパーオン率は70位。体型は175cm、74kgで平均的とはいえ、物足りない。12月になって、今週を含めて今季数試合お願いする予定のベテランキャディ、岡本史朗氏から電話で言われた。「来年は距離を伸ばそうね」――
地元・埼玉でパーソナルトレーナーを探して初めて契約した。メニューを組んでもらい、取り組んだ最初の3日間は地獄の苦しみを味わった。「筋肉痛でまずベッドから起き上がれない。それに足が震えてイスに座るのも大変でした」と笑って振り返る。
現在のDDは286.47%で52位、パーオン率は67.535%で45位。明らかに昨季と違う。「距離も伸びたし、体力的にも疲れにくくなった」という前田は「ビッグスコアが続かなかったのに」と3日目「66」、この日「65」をマークした決勝ラウンドがうれしい。
ツアーのある週は1、2日、オープンウィークは週に4日のトレーニングを続けている。「嫌いだったのに、やり出すと止められないんですよ。止めたら、飛距離が落ちそうな気がするし」。シーズン半ばでようやく結果が出た。もう止められない。(北海道千歳市/加藤裕一)