「ゴルフをやめよう」と思ったコース 幡地隆寛“トラウマと限界”への挑戦
◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 事前(22日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)
前週「関西オープン」で国内ツアー初優勝を挙げた幡地隆寛は、全英切符に向けてちょっと弱気だ。上位3人に「全英オープン」(7月18日開幕/スコットランド・ロイヤルトゥルーン)出場権が与えられる今週は、不安要素が2つある。
ひとつは体力面。関西オープン明けの月曜は、6月の「全米オープン」出場をかけて日本地区最終予選会に出場。36ホールのストロークプレーに臨んだが、「これが、限界ってやつか…」と途中で体が動かなくなった。自分が想定しているよりも10yd近くボールが飛ばず、無理やり体を動かしたらミスショットでOBに。「人生で初めてレベルの限界が来ました」と、36ホールを完走できなかった。
翌日の火曜は休みに充て、この日のプロアマで18ホールを回りコースチェック。「月曜に比べたら全然状態はいい」と体力は戻って来たものの、心配ごとがもうひとつ。「ここはゴルフをやめようと思ったくらいのコース」と、地元の広島県に近い当地には苦い思い出がある。
2015年と16年、ツアー出場を目指して挑んだサードQTは本コースで敗退した。6会場の選択肢があるなか、17年は「破れかぶれで、狭いコースにいってやれ!」と栃木県の太平洋クラブ益子PGAコースを選んだら10位でファイナル進出を決めた。
今季はアジアンツアーを合わせて2勝を挙げて乗り込むが、苦手意識はそう簡単には消えない。「どこかで払しょくできればいいなと。それが今年なのか、何年後なのかは分からないですが…」
それでも、2日前に獲り損ねた初めての海外メジャー切符は欲しい。「しっかりチャンスがあれば狙っていきたい。残った体力を出し切って、頑張ります」。体にムチを打って戦い抜く。(岡山県笠岡市/谷口愛純)