「疲弊してしまった」 石川遼は反省のメキシコから御殿場へ
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 事前情報(8日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
10月の「ZOZOチャンピオンシップ」で4位に入ったことで出場できた前週のPGAツアー「ワールドワイドテクノロジー選手権」はあえなく予選落ちに終わった。実のところを言うと、石川遼は開幕前から腹痛に悩まされ、試合期間中は食事もとらず、ショットをするたびに両手をひざにつくような状態だったという。
その体調不良を、結果の言いわけに充てるつもりはない。「『残念ながら、しょうがない』という感じになりたかったんですけど、ゴルフはそんな悪くなかったので」。メキシコで初めて訪れた会場、エル・カルドナル at ディアマンテは各ホールのフェアウェイ幅が60yd近くある一方で、その両脇はネイティブエリアが広がるつくり。「どっちにも曲げては、ミスをしてはいけないんだという感じで、かなり窮屈に打たされてしまった」と重圧を自分にかけ過ぎた反省点がある。
コースの設計者はタイガー・ウッズ。独特な形状をしたグリーンからは「『フェアウェイから打つんだから、(ターゲットを狙えるのは)当たり前でしょ』みたいなメッセージは正直感じました」と言うが、ティショットのライン取りなどに悩むばかり。「そこ(ウッズの意図)に行くまでに結構、自分が疲弊してしまった。ティショットをフェアウェイに打つのが精一杯のような感じで」と浮上のきっかけをつかめないままだった。
仕切り直しの一戦は昨年、歴代最多タイの3勝目をマークした大会。10年ぶりの御殿場制覇は、2018年の改修後の優勝だったことが自信になった。「今までの自分とこのコースとの歴史をいったんリセットして、1ホール、1ホール、ピュアに向き合っていこうと考え直した」とコースマネジメントにも修正を加えて、同じく3勝の尾崎将司(1973、92、94年)、中嶋常幸(1985、2002、06年)、リー・ウェストウッド(1996-98年/イングランド)に並んでみせた。
「ZOZO」での活躍を除いても、賞金ランキングは8位と上位で推移しながら、タイトルから遠ざかってちょうど1年が過ぎた。「去年の優勝から365日、コツコツと積み重ねてやってきているところもある。コースがまた違った見え方をするとこともある。ことしは、ことしの自分でのベストを尽くしていきたい」。昨年の栄光には目もくれず、いまある自分でプレーする。(静岡県御殿場市/桂川洋一)