福留孝介さん「77」でマンデー突破ならず イーグル逃しのバーディで締める
◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 事前(30日)◇ABCGC(兵庫)◇7217yd(パー72)
マンデートーナメント(主催者推薦選考会)が行われ、元プロ野球選手で阪神、中日、MLBで活躍した福留孝介さんが出場した。結果は1バーディ、4ボギー1ダブルボギーの5オーバー「77」で出場94人中88位。通過ラインに9打届かず本戦出場はならなかった。
最後に見せ場がやってきた。525ydの18番(パー5)。軽いフォローの中、ドライバーショットは同組の比嘉拓也、井上敬太というプロ2人をアウトドライブし、約300yd先のフェアウェイへ。ピンまで池越えの180ydを7番アイアンでピン奥4mにつけた。イーグルトライは外れたが、18ホール目の初バーディに表情は緩んだ。
大会主催の朝日放送による“チャレンジ企画”で実現した、人生初の競技ゴルフは“ガチガチ”だった。「久々に緊張しました。開幕戦みたいですけど、野球の方がラク」。スタート1番は、フェアウェイウッドを握ったティショットがまさかの“トップ”。約150ydしか飛ばなかった。2番ではフェアウェイからアイアンショットが右に飛び出し、OBは免れたものの暫定球を打った。散々の出足。それでも、トーナメント仕様のコースで「77」を出した。
今回の挑戦にあたり、コーチを務めた田中秀道は「ティショットに不安があって、1つでも2つでも納得のいくものがあればいい、それで70台が出たら最高と思ったのに…」と驚いた。特に2、3mのパーパットを何度も決め、ナイスアプローチを度々見せた点に着目する。
「福留さんは(手の)スピードがすごく速くて、体の動きとコンスタントにマッチしない。もっとも、それができたらPGAツアーメンバー級ですが…。本来はパワーがアドバンテージのはずなのに、意外とショートゲームでスコアを作れる。技巧派というか、いぶし銀」。福留さんの粘り強さ、適応力にうなった。
日米通算2450安打、327本塁打の実績を残し、昨年限りで引退したプロ野球のレジェンドは46歳。「楽しくやるゴルフと違って、一打一打を真剣に考えないといけない。本当に大変でしたけど、楽しかった。こんなセッティングで『77』なんて、最高じゃないですか」。一般営業コースで出したベストスコア「70」を上回る達成感を噛み締めた。(兵庫県加東市/加藤裕一)
<マンデートーナメント予選通過者>
1/-9/奥松良太(アマ)
2T/-6/橋詰海斗(アマ)、小斉平優和、大谷俊介
5T/-5/梶村夕貴、石塚祥利、平松孝太郎(アマ)、金田直之
9T/-4/伊藤誠道、小川琥太郎(アマ)
※9Tの通過者はカウントバックで決定