「3オーバーでいい?」でも唯一ボギーなし 岩田寛が全英切符で8年ぶりメジャーへ
◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(4日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)◇晴れ(観衆5706人)
通算9アンダー2位に入った岩田寛が大会終了時点の賞金ランキングで2位となり、有資格者を除く最上位として7月「全英オープン」(イングランド・ロイヤルリバプール)の出場権を獲得した。ロイヤルリバプールでは前回14年大会に続く2度目のプレーとなる。
2015年「全米プロ」以来8年ぶりの海外メジャーへ「楽しみはありますよ」と言いつつ、なんだかいつも通り口が重い。「いまは反省ばっかりですよ」。メジャーのハードセッティングが本領を発揮した最終日は得意とする我慢比べの様相を呈し、逆転のチャンスも十分にあっただけに悔しさが勝った。
朝に持ち越した第3ラウンド、そして最終ラウンドとウォーミングアップの段階で自分への期待が一気に薄れていく状態だった。「朝の練習からひどすぎて…。キャディとも『3オーバーでいい?』って話していました」と明かす。
それでもパーを並べ、少しだけ光が見えたのは後半12番のセカンドだったという。「もうちょっと『こうしたい』っていうのはありますけど、このくらいだったら…」と及第点をつけられるところまで来た。続く13番(パー3)から4ホールで3バーディ。長いバーディパットを残した17番のグリーン上で首位を明確に意識したが、及ばなかった。
最終ラウンドで唯一のボギーなし「68」にも表情は晴れない。「幸い、今週はラフからグリーンまで持って行けるのと、ラフからでも(ある程度グリーンに)止まっていた。例えば左に池があったら、(あえて)右のラフに打っていたんですよ」。硬くて速いシビアなグリーンに比べ、ラフがそれほど深くないセッティングを生かして“最悪”を避けたマネジメントの結果だと説明する。「でも、そういうゴルフをしていたら勝てないですよね」
今季3度目のトップ5入り。優勝した「中日クラウンズ」を含め、4月の日欧共催大会、そして国内メジャーと全体のスコアがそれほど伸びなかったタフなコンディションでの好成績が目立つ。「たまたまですよ。(やっている自分は)厳しいっす」。納得のショットを求め、1カ月後の全英よりも「とりあえず来週です」と足元を見つめ直した。(茨城県笠間市/亀山泰宏)