【GDO EYE】「覚悟は出来ている!」田中秀道、来季のシード権獲得なるか!?
国内男子ツアー「カシオワールドオープン」の練習日。現在賞金ランキング78位の田中秀道が、来季のシード権獲得に最後の勝負に出る。国内ツアー通算10勝の田中は、1998年に「日本オープン」を制し10年間の複数年シードを獲得。その後、2002年から05年まで3年間、米国PGAツアーに挑戦してきた。
帰国後は日本ツアーに参戦したが、持病の腰痛もあり満足なゴルフができず苦しんだ。そして10年間シードの最終年となる08年。開幕戦にエントリーしていたが棄権し、その後「特別保障制度」を適用して一年間試合をパスした。
そして今年がいよいよ複数年シードの最終年となるが、シーズン前半は予選落ちが続いてしまった。だが、10月に開催された「日本オープン」で39位タイに入り、少しの自信を取り戻した。その翌週の「ブリヂストンオープン」では、スコアを崩し悔しい思いが込み上げてきたという。
そこで田中が気づいたこと。「自分は昔の自分ではないことを頭で分かっていたが、今年の日本オープンでできたことが翌週できなくて悔しくなったんです。でも、今の田中秀道は、優勝していたころとは別人なんだって思うようにして、本当の意味で一からのやり直しをしなければって思うようになったんです」と心境を語る。
「だから、今年シードを取ろうなんて夢みたいなことは考えないで、予選会(クオリファイ)に行って、その中から這い上がろうと思っています」。日本のトッププロとして活躍してきた田中が、本当の意味での初心に帰って戦う覚悟を決めたという。
さらに田中は「不思議なものですよね。そう思い出したら成績が出始めて、あと少しでシード獲得という位置に来ちゃいました。でも、今週も自分には過度の期待をしないようにしています。ここで決めてやると思うと、ダメだったときに立ち直るのに時間もかかるだろうし、予選会へのモチベーションも上がらないと思うので…」と続ける。
現在、田中の獲得賞金は959万円。ボーダーラインの74位につけている横田真一の1,165万円までは206万円となっている。今週22位以内に入り、他の選手が大幅に賞金を稼がなければシード権獲得も不可能ではない。ここ数試合は笑顔の多い田中だが、ラストチャンスを無欲で掴むことが出来るだろうか。(編集部:本橋英治)