2勝ともセルフプレー パグンサンが“ひとりゴルフ”を好むワケ
◇国内男子◇ゴルフパートナーPRO-AM トーナメント 最終日(21日)◇取手国際GC(茨城)◇東コース6804yd(パー70)◇曇り(観衆3400人)
最終日の朝。多くの選手がキャディと一緒にドライビングレンジなどでウォーミングアップを行う中、単独首位のジュビック・パグンサン(フィリピン)は黙々と一人で練習していた。
キャディバッグを載せた電動カートを押して、1番のティイングエリアに向かう姿は、寂しげに見えなくもない。キャディをつけずに回る理由は「キャディをつけても、つけなくても変わらない。(つける)デメリットは快適過ぎるところですね。自分でやらなければいけないことを、自分でやることが好き」。ボールを拭く。クラブを磨く。バンカーを均す。そんなプレー外の作業をむしろ楽しんでいた。
ツアーで初優勝した21年「ミズノオープン」もセルフプレーだった。ただ「グリーンを横切れるから」と、クラブを11本に絞ってバッグを軽くして担いで回っていた。今週、電動カートを使ったのは、クラブ14本を用具提供先のタイトリスト社製に総替えしたため。まだ不慣れなクラブだから、全部入れたい。そうなるとバッグが重い。「電動カートだと背負わなくてもいいので楽ですから」。11日に45歳になり、自分の体力も考慮した。
2位の蝉川泰果に1打差をつけて出たこの日は、7バーディ、3ボギー「66」でプレー。最終18番はボギー締めだったが、「17番が終わったときに自分がトップだとわかった。ボギーを打っても優勝できると思いながらプレーした」。後続と3打差あるとわかっていた。最後までひとりで冷静だった。
国内男子ツアーでは、コロナ禍が始まった2020年シーズンからセルフプレーがOKになったが、禁止の大会もある。今季ここまで4戦は開幕戦「東建ホームメイトカップ」だけセルフで回り、他の3戦は帯同とハウスキャディにお願いした。
次週は初優勝大会の「ミズノオープン」(5月25日~/岡山・JFE瀬戸内海GC)が控える。優勝会見の最後に「みなさま、ご多忙の中、本当におつかれさまです。いまのお話で素敵な記事を作ってくださってありがとうございます」と丁寧にお礼。笑顔で締めくくった。(茨城県つくばみらい市/内山孝志朗)