勝てば欧州ツアーのシード獲得 蝉川泰果、石川遼も歓迎の共催試合
◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 事前情報(19日)◇PGM石岡GC(茨城)◇7039yd(パー70)
欧州ツアー(DPワールドツアー)との念願の共催競技で、日本ツアーのメンバーが得られるものは大きい。優勝すれば今季の残りシーズンと、来季から2年間のフルシードを獲得。DPワールドツアーの年間ポイントレース上位10人は、翌年のPGAツアーのメンバーに“昇格”できる。
蝉川泰果の目にもこの特典は「すごく魅力的」に映る。2月にタイ、シンガポールですでに欧州ツアーの舞台を踏んだ。22歳のスタイルもまた“攻め”のはずだが、「周りに攻めている(欧州の)選手が多くて、自分のショットが信頼できない時に攻めて失敗してしまった」と、当地で受けた刺激は忘れていない。
3日前に「関西オープン」でプロ初勝利を飾ったばかり。「優勝した瞬間はうれしかったですけど、『よしっ!』という感じが1時間後にはなかったですね」と貪欲だ。打ち上げのホールが続いた前週の試合で乱れた構えを、17日(月)には練習で修正。「予選カットラインも高くなると思うので置いて行かれないように」とスコアの伸ばし合いを見据えている。
欧州ツアーがリードするセッティングにより、会場は前年大会とは様変わりした。石川遼は「ティグラウンドからラフ、フェアウェイも含めて素晴らしいコンディションに仕上げてくださった。日本の普段のツアーとは違う状態というか、グリーンもこの時期では刈り高が短い」と歓迎した。「フェアウェイもふかふかでボールが浮きすぎることがないので、しっかりとしたアイアンのコンタクトも求められる」と“ごまかし”が効かない争いだ。
2017年にPGAツアーから撤退してからも、海の向こうのレベルがいつも頭にある。「優勝したら? (権利を)行使しないことを僕は考えられない。ただ、勝ったときの場合はまだ正直考えていない」と秘めたる思いはそのままに、まずは4日間を戦う覚悟でいる。
「日本のゴルフツアーにとってもすごく良いこと。世界に繋がるための大きなチャンスを日本の選手たちはもらえるということで素晴らしい機会だなと思います。個人的にすごく刺激を受ける一週間になる」。144人のフィールドのうち、日本ツアーからの参戦は推薦を合わせて50人。一気に道を切り開く選手は誕生するか。(茨城県小美玉市/桂川洋一)