2022年 日本シリーズJTカップ

最終戦で“+0.63歳” 谷原秀人が経験でつかんだ大会連覇

2022/12/04 18:20
18番パーパットを決めてガッツポーズ

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(4日)◇東京よみうりCC(東京)◇7023yd(パー70)

最終18番の2mのパーパットは、44歳の経験値をもってしても「ドキドキした」。それでも熟練の技術に裏付けされた1打はきれいにカップイン。谷原秀人が通算12アンダーで大会連覇を決めた。

首位と4打差から出た最終日は狙い通りの展開だった。「前半で伸ばせればチャンスはあると思っていた」。9ホールで3つ伸ばし、折り返した時点で最終組の小平智をとらえて通算10アンダーのトップタイ。17番(パー5)を獲って単独首位に抜け出した。

難関18番は、最初から手前に“刻む” と決めていた。「パーを獲っておけば、せめてプレーオフに行けると思った」。手前に向かって傾斜がきつくかかったグリーンは、欲を出せばボギーで収めるのも難しくなる。12ydの2打目はピン上2mについた。「入れないと、たぶんダボ。大勢のプレーオフもイメージできた」と緊張の中で沈めてパーセーブ。今シーズンをツアー通算17勝目で締めくくった。

44歳が大会連覇を決めた

「勝てましたね、ビックリです」と笑いながら、コースの中では冷静だった。最終戦の出場は14回目。今年最終戦に名を連ねた30人のうち、「カシオワールドオープン」までの優勝者16人の平均年齢は27.6歳と史上最も若い。突き上げてくる勢いを肌で感じつつ、それでも戦略とショートゲームにゆるぎない自信を持って戦っている。「小技で生きている部分もあるので、さらに磨いて若手にも見てもらいたい」とベテランの強さを見せつけた。

今季は選手会長としてツアーを引っ張る一方、「競うのが好き」と海外遠征でも経験を積んできた。「若手の壁になれることを喜びながら、年間1勝ずつは頑張っていきたい」と笑う44歳。最後の最後、自身の勝利で優勝者の平均年齢を「0.63歳」押し上げた。(東京都稲城市/谷口愛純)

<連覇アラカルト>
・「日本シリーズ」連覇は2010~12年の藤田寛之以来10年ぶり6人目(7回目)
・谷原の連覇は15、16年「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」以来6年ぶり2回目
・ツアーの連覇は18、19年「ブリヂストンオープン」の今平周吾以来

2022年 日本シリーズJTカップ