プロ初ラウンドは“74” 蝉川泰果の自己採点は「10点」
◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 初日(3日)◇ABC GC(兵庫)◇7217yd(パー72)
「悔しい」―。その第一声がプロ初ラウンドの内容を物語る。蝉川泰果のプロデビュー戦初日は、納得のいくものとはならなかった。
歴代覇者の石川遼、浅地洋佑との注目組で、好きな色だというピンクのネーム入りタオルを掲げた“地元応援団”にも見守られながら緊張のスタート。421ydの1番、ティショットは1Wを振り抜いてフェアウェイセンターをキープした。2打目をウェッジで1mにつけてバーディで滑り出した。
「いいショットをしよう、いい所を見せようという気持ちにはなるけど、なかなかうまくいかなかった」。4番(パー5)でカラーからの3パットボギーをたたくと、続く5番もボギーでスコアを落とした。
ハーフターン直後の10番でもスコアを落としたが、12番(パー3/205yd)では6Iで1mにつけるショットを披露してこの日2つ目のバーディを奪って地元のギャラリーを沸かせる場面も。パー5の最終18番では2オンに成功したものの、「あれを外すのか…。自分じゃない感じ」と、3度目の3パットでパーフィニッシュした。
ドライビングディスタンスは307.00ydで全体3位の数字をマークしたが、1ホール当たりの平均パットは2.0667で95位。グリーン上で苦しんだデビューラウンドは2バーディ、4ボギーの「74」。2オーバーの70位で終えた初日の自己採点は、100点満点で「10点」だった。
「プロである以上、(声援を)送っていただいたら笑顔で返すのがいいと思う」と、不満の残るラウンドにも前を向く。「自分自身の世界に入っても(ギャラリーは)見てくれないと思うので、そのあたりのプロ意識はある」。リーダーボードのアマチュアを示す「@」マークのない自分の名前を見るたびに、プロとしての自覚が強くなっていく。
「ガッカリしている気持ちとも向き合いながら頑張らないと。今日の結果は受け入れて、あしたも全力でプレーする」と話し、日没間際のパッティンググリーンへと向かった。(兵庫県加東市/内山孝志朗)