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LIV参加選手「ZOZO」出場停止までの経緯 JGTO理事が説明

日本ゴルフツアー機構(JGTO)は8月29日、「LIVゴルフシリーズ」に参加した国内ツアーメンバーに対し、10月の「ZOZOチャンピオンシップ」を含む年内のPGAツアー競技に出場できなくなったことを通達した。対象者は谷原秀人香妻陣一朗木下稜介稲森佑貴ショーン・ノリス(南アフリカ)、スコット・ビンセント(ジンバブエ)の6人。PGAツアーとの交渉に当たってきたJGTOの宇治重喜理事が経緯について語った。

■ JGTOに新リーグ「出場禁止」の規定はない

英国ロンドンでの新リーグ初戦は6月、国内男子ツアー「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」と同じ週に開催され、谷原、木下、香妻が出場した。7月の第2戦、米国ポートランド戦からは稲森も加わった。

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宇治理事は「スポンサーがあっての日本ツアーというのが根底にあるが、選手が出ると言ったら我々は止められない。(国内ツアーとLIVでの)賞金の差もあり、選手の選択の自由も理解している」と説明。現状JGTOの規定として新リーグ出場を「禁止」するものはなく、新たに設けることもしていない。

一方で国内のスポンサーから選手流出に関する不安の声が寄せられ、選手側には『JGTOメンバーとして、まず国内の試合を優先してほしい』という旨を通達していた。JGTOの理事を通じて、新リーグに関する問い合わせがあった選手や、選手会に対して状況を説明しながら、最終的に出場は個々の判断に任せていた。

■ ZOZO出場停止の最終決定まで2カ月間

PGAツアーは新リーグが開幕した6月9日に移籍したツアーメンバーの出場停止処分を発表した

JGTOは「これが、どこまでノンメンバーに影響するのかが疑問だった。我々としてはまずZOZOについて懸念していた」と確認を急ぐとともに、日本ツアーから新リーグに参加した選手はPGAツアーの非メンバーであること、PGAツアーのシーズンが8月末に切り替わること(ZOZOが翌シーズンの開催であること)、ZOZOが日本開催・日本企業の冠大会であることなどを理由に規制の緩和を訴えた。

同月中には、欧州ツアーが新リーグ出場選手に対して7月の欧米共催3試合(ジェネシス・スコティッシュ・オープン、バーバゾル選手権、バラクーダ選手権)への出場を認めないことを決定。その後、移籍選手の不服申し立てを受けた欧州の裁判官の審問により、翌月に出場定処分が撤回されたことで、事態は複雑になった。

「この決定が出て改めて、ZOZOが(出場停止に)当てはまるのかが気がかりだった。両者の弁護士を入れて話し合い、『検討する』と言われていたが、なかなか正式な回答が得られずに選手に通知を出す直前までやりとりを続けていた」。PGAツアーから最終的な返答が来たのは8月末。「日本開催を理由に例外にはできない。すべてはカレンダーイヤーで統一されており、ルールは年内まで適用される」と処分は覆らなかった。

■ 日本ツアーからの今後のリブ出場は未定

JGTOからのZOZO出場枠は「BMW日本ゴルフツアー森ビルカップ」優勝者(比嘉一貴)、10月10日時点の今季賞金ランク上位8人。正式決定が通知された8月29日時点でランキング3位につけていた稲森、同10位の香妻を含む前述の6人が対象から外れた。

「8月末まで正式回答が得られなかったのがつらかった」と同理事は話す。「(日本ツアーには)欧亜との共催試合もある中、各ツアーと歩調をそろえるのも基本。選手とスポンサー両者のことを考えながら、年内にはJGTOとして新リーグに対しての立ち位置をまとめていかなければいけない」

48人にフィールドが限られる新リーグに関しては、年内に残り4試合が予定されているが、日本人選手については現時点で今後出場できるか未定。木下、香妻は新リーグ出場を見送る意向を示した。1月の「ソニーオープン」をはじめとした年明け以降のPGAツアー競技には出場権さえ得られれば、“復帰”できる見込みだが、状況が変わる可能性もゼロではないという。JGTOは年内にもPGAツアー、欧州ツアーなどと話し合いの場を設け、今後の対応を模索していく。(谷口愛純)

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