プロ10年目も気持ちはルーキー 鍋谷太一が初優勝狙い「耐え忍ぶ」
2022/08/28 07:31
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 3日目(27日)◇芥屋GC(福岡)◇7191yd(パー72)
プロ10年目の鍋谷太一に、待ちに待った初優勝のチャンスが巡って来た。7アンダー11位から出た3日目はノーボギーの「66」をマーク。最終ホールのイーグルで、首位と2打差3位に食らいついた。
「まさか、最後は入ると思っていなかった」と25ydからのチップインイーグルは、これまで耐え忍んできた分のご褒美だ。2012年にプロ転向を果たしたが、優勝の機会に恵まれずに自己最高位は今年の開幕戦「東建ホームメイトカップ」の6位。初シードを目指す今季はコンスタントに予選通過を果たして賞金ランクを33位まで上げたが、トップ10はそれが最後だった。
突き抜けられないモヤモヤを抱え、2年前に始めたゴルフ日記にひたすら書き続けているのは「とにかく耐え忍ぶ」。眠る前やラウンド後に、その日に感じたことや自分へのメッセージを書き留める。「同じ言葉ばかり書いているけど、あとは耐えるしかないし、試合になったら自分を信じるしかない」と時々読み返しては力に変えた。
中堅どころに差し掛かった最近は、年下の大西魁斗や岩崎亜久竜らと練習をしながら初心に帰ることも忘れない。「年齢は下だけど、本当にゴルフのことを知っているし勉強になる。自分はプロ生活は長いけど、最近は気持ちはルーキーみたい」と、初シードを目指しながら戦っている。
首位と2打差を追いかける最終日こそ「耐え忍ぶ」力が問われる。「一打一打頑張るしかない。今苦しんでいる気持ちから、逃げたらだめだ」と言い聞かせ、残る18ホールを戦い抜く。(福岡県糸島市/谷口愛純)