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「イップスになって良かった」堀川未来夢が前進の2勝目

◇国内男子◇カシオワールドオープン 最終日(28日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7335yd(パー72)

どれほど追い詰められても、ポジティブな姿勢は失わない。背中にぴったりついた相手はスーパールーキーの金谷拓実と、同級生で賞金王2回の今平周吾。「一番、優勝争いをしたくない2人」だけでなく、堀川未来夢は向き合ってきた“病魔”を振り切って見せた。

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初優勝を挙げた2019年「日本ツアー選手権 森ビル杯」と同じように、初日から首位を譲らなかった。ただし、同じ完全優勝でも内容はまったく違う。2年前、「2、3mはほとんど入るイメージしかなかった」という一番の武器だったパッティングは、同じ年の冬から「壊滅的。このままでは戦えない」というウイークポイントになった。

グリーン上でのイップスを発症。肝心なところで右手が悪さをするようになった。「ブレーキをかけるような感じだったり、水中で打っているような感じだったり、フェースをグラグラさせているようだったり」。読んだライン上にボールをのせられず、スコアメークが困難になった。

事態が好転し始めたのは約1年前。「イップスの感覚を練習で出せるようになって、希望の光が見えた」という。試行錯誤の末、あの不快な感覚が練習グリーンでも現われはじめ、余計に苦しむかと思いきや、堀川はチャンスだと思った。「(試合中に出る)症状を知れば対策を練ることができる」。10数本以上のパターをテストし、構え方、握り方の左右の強さのバランス、呼吸法…。練習中に編み出した“特効薬”を、毎日のラウンドにいくつか持ち込むようになった。

勝負のサンデーバックナイン。14番でカップの右サイドを狙ったパットが左に飛び出た。「うわ、出たな」。右手に出た違和感は15番でも消えない。頭の中から、すぐに対策のひとつを引っ張り出した。同じ最終組の強敵の存在も力にした。「彼らがバーディを取ってくれてグリーン上の雰囲気が良かった。良い方向に意識した」。最終18番(パー5)、30㎝を沈めて5つ目のバーディ。「67」で後続に2打差をつける通算19アンダーで締めくくった。

苦しみぬいた2年間。それ以前の自分を「結構、悩みがなかったんですよね」と28歳は振り返る。右肩上がりだったキャリアの途中で突然、足元にできた落とし穴。それも「課題があったほうが練習に打ち込める。グリーン上の練習量すごく増えた」と前向きに捉えることを忘れなかった。「イップスになったよかったなって。結果的にはゴルフを結構考えるようになった」とまで言える。その手に今ある、泥沼を探るようにしてつかんだ自信は、どんなゴルフクラブよりも頼もしい。(高知県芸西村/桂川洋一)

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