「考えるな、感じろ」時松隆光は“無心”の打ち込みから優勝争いへ
◇国内男子◇ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ 2日目(29日)◇美浦ゴルフ倶楽部 (茨城)◇6988yd(パー71)
「71」で終えた初日のラウンド後の練習場で、時松隆光は1時間ほどボールを放っていた。練習場で打てる球が本番で出せない。長らく悩み、「メンタルの部分が大きいのかなと思いながらやっていました」と見出したのは、「考えるな、体で感じろということなのかな」という心を無にした打ち込みだった。
2020年と21年でシーズン統合された今季はトップ3入りが3試合。2018年「関西オープン」以来の優勝に迫るハイライトもあったが、7月「日本プロゴルフ選手権」から3試合連続予選落ちを喫するなど「調子が悪い」と頭を抱えていた。
「ちょっとしたことですけど、『体重を移動して打とう』とか、小さいことだけど色々意識を課題にやってきた」と不調の原因であるショットの復調に注力してきたが、球は思うように飛ばない。「普段はしない」という居残り練習に活路を求めた。
「これだけ打てば少しは良くなっているだろう」と、迎えた2日目は7バーディ、1ボギーの「65」。トップと2打差の通算7アンダー4位で終え、「何カ月かぶりくらいにやりたいゴルフができました」。後半2番、4番ではピンそば1mにつけてバーディを奪取した。「真ん中に飛ばしてしっかり乗せて、パターに負担をかけずにできている」
今季も残すところ6試合で、終盤戦に向けて復調の兆しが欲しいところではあるが、18ホールの好スコアだけでは「ちょっとまだ不安です」と言う。これまでは具体的な修正ポイントを課題に挙げて取り組んできたが、無心の練習では「課題がないから不安なんですよね」という心配がある。「きっかけがつかめればと思っているので、自分も楽しみです」と週末へ向かった。(茨城県美浦村/石井操)