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コース管理も気になる“社員プロ” 28歳・杉山知靖に初Vチャンス

◇国内男子◇ブリヂストンオープン 3日目(9日)◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース (千葉)◇7119yd(パー71)

杉山知靖は開口一番、「会心のプレーでしたね~」と笑顔でうなずいた。ボギーなしの9バーディ「62」はコースレコードタイ。通算14アンダーに伸ばして単独首位に浮上した。「自分がいいプレーをできているとは思っていた。極力リーダーボードは見ずに、行けるところまで行こう、と。やっていて楽しかったです」とブレーキをかけずに走り切った。

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この大会は初出場でも、林でセパレートされたコースには親近感を覚えるという。「なんとなく、所属しているゴルフ場の雰囲気に似てるんです。リラックスして回れました」。初日5ホール、2日目3ホールと苦戦したフェアウェイキープも、この日はフィールド7位タイの9ホールと修正した。指導を仰ぐ内田豊プロから電話で始動のタイミングが早くなっていることを指摘され、左に行きがちだったティショットが安定。後半だけで2度のチップインと勢いもあった。

2016年のプロテスト合格から株式会社レイクウッドコーポレーションの“社員プロ”として契約。神奈川県の平塚富士見CCレイクウッドGCと隣接する72ホールをいつでも使えるというありがたい環境で腕を磨いてきた。ツアープロとしての活動を優先する配慮ももらいながら、メンバーとのプレーやコース監修のアドバイスといった仕事にも取り組む。

ツアートーナメントが開催される名門コースから、所属コースに役立つヒントを持ち帰るのも日課になっている。「全体的に清潔感がありますね。これだけ歴史あるコースなのに、林の中に入っても、木の根が浮き上がって(打てなくて)出られないよ、みたいなこともない。初日が始まる前に見ていたら、バンカーも手慣らし。メンテナンスが行き届いていて、素晴らしいなと思いました」と、ひと味違うポイントで目を輝かせる。

7月に下部AbemaTVツアーでプロ初優勝を飾り、レギュラーツアーでも初めてトップ10入りするなど賞金ランキング44位と初のシード圏内。「自分でも出来すぎなんじゃないかなって思う」。シーズンをバックアップしてくれる所属先への感謝を何度も口にする。

調子が落ちかけていた数週間前には片山晋呉から「スギちゃんはゴルフに向き合い過ぎる」と助言をもらった。宿泊先のホテルにもヤーデージブックを持って帰り、その日のプレーの“復習”と翌日の“予習”を欠かさなかったが、このルーティンを廃止。オン・オフの切り替えができるようになったことも、好成績につながっているという。

初優勝、日米共催「ZOZOチャンピオンシップ」の切符もかかる最終日。「まだまだそういうレベルではないと思うんですが、一打一打集中して、この素晴らしいコースで結果が出たらうれしいですね」。優勝争いの先頭に立つ28歳は、どこまでも謙虚だ。(千葉市緑区/亀山泰宏)

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