3戦2勝のビンセント 米国への帰還計画も着々?
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(19日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063yd(パー72)
キャップからはみ出した金色の後ろ髪を風になびかせ、スコット・ビンセント(ジンバブエ)が輪厚を颯爽と駆け抜けた。3打差3位から出た最終日に、この日ベストの「66」で2位に3打差をつけた。8月「KBCオーガスタ」初優勝からわずか2戦目にして、日本ツアー2勝目を飾った。
通算12アンダーから出た最終日。「19か20アンダーまで行けば優勝争いに絡めると思っていた」と前半から果敢に攻めた。平均飛距離300ydというドライバーショットは、同組で回った星野陸也をアウトドライブ。9番(541yd/パー5)は残り254ydの第2打を、3Iでピン手前6mに運び、「2パットでいいと思った」というイーグルパットもカップに沈め、前半だけで5つ伸ばした。
折り返した後半、1つ伸ばした13番で見ないつもりだったリーダーボードが目に入った。「自分が一番上にいたのでびっくりした」とビンセント。その時点で2位とは5打差。そこからゲームプランを変更し、「ステディなゴルフをしていれば、他の選手はもう追いつけない」と安全策に切り替えて、確実に勝利をつかんだ。
2019年から日本ツアーに参戦し、同年は賞金ランク15位。2020年は欧州ツアーを主戦場としてトップ10入りを3度記録。2021年は4月の「東建ホームメイトカップ」から国内ツアー参戦を続けている。
「日本ツアーの気に入っているところは、食べ物や、移動のしやすさなどたくさんある。ネガティブなところを挙げるとすれば、良い選手がたくさん居すぎることかな」とリップサービスも好調だ。昨晩は寿司、今夜はジンギスカンを食べにいく予定だという。
「次の目標はZOZOでプレーすること。その次は世界ランク100位以内に入りたい」と、29歳の視線は将来を見据えている。
現在は米国コロラド州に自宅があり、「彼女(奥さん)への一番のプレゼントは国に帰ることかな」と笑う。将来はPGAツアー参戦を目指しており、「世界ランキングを上げて、メジャー大会に出たい。もしかしたら、Qスクールを受けてコーン・フェリーツアーに参戦するかも」と、米国帰還計画も着々と進行中だ。(北海道北広島市/今岡涼太)