石川遼「居心地が悪い」単独首位も2打差以上逃げ切りV率100%
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ3日目(24日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72)
2打リードの単独首位からスタートした石川遼は5バーディ、ボギーなしの「67」で回り、通算16アンダーでその座を守った。後続との差を3打に広げ、1カ月半前の「日本プロ」に続く自身初の2試合連続優勝に向けて最終日に臨む。
後続に2打差をつけての第3ラウンド。出だしの1番から2mのチャンスを決めるなど着々とスコアを伸ばしたが、「すごく難しい一日だった」と振り返る。石川にとって「居心地が悪い」というトップの位置。「慣れるということがない。もっとたくさんリードを持てる機会があれば慣れてくると思うけれど、けっこう久しぶりの感覚」。リードを3打に広げて最終日を首位で迎えるやりにくさを口にし、「1回(首位に)立ってみてほしいくらいなんですけどね」と笑いを誘った。
スコアだけを見れば5バーディ、ノーボギーと“無傷”のラウンドだったが、「一日中、どんよりしたような気持だった」というメンタルで戦うことは容易ではなかった。3つ伸ばして迎えた後半11番では1Wショットを右の池へ。それでも、好調なアイアンショットで窮地を脱する。左ラフにドロップしたあと、155ydの3打目を9Iでピンそば50cmに絡めてボギーを回避。13番(パー5)ではフェアウェイから約250ydの2Iショットをグリーン手前の池に落としたが、70ydからの4打目をSWでピンそば1mにつけて再びパーを死守した。「自分を見失わずに、挑戦者という気持ちを忘れなかった」。この日のテーマを貫けたことに胸を張った。
石川が苦手と認める首位スタートの最終日だが、過去のデータは圧倒的な優位を裏付けている。過去15勝のうち、単独首位からスタートした11試合で8勝を記録。そのうち2打差以上でスタートした6試合の逃げ切り勝率は100%を誇っている。直近では、2打リードの単独首位で最終日に入った2016年「RIZAP KBCオーガスタ」。その差を5打に開き、4日間首位を守り切る完全優勝を果たした。
「この位置が、居心地が良くなるような選手になりたい。ジャンボさん(尾崎将司)がトップでこの位置にいたら、他の選手は追いつくのは難しいって思うはずだけど、“遼だったらチャンスはある”と思われていると思うので(笑)。少しずつイメージを変えていかないと」。3シーズンぶりの復活優勝を日本タイトルで飾ってから1カ月半。周囲の大きな期待を背に受けての逃げ切り優勝は、石川にとって大きな意味を持つ。(北海道千歳市/塚田達也)