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小田孔明 未知数の実力を秘めた、未完の大器

「最大の目標」 ジャンボ尾崎も認める才能

2007年の「中日クラウンズ」で3位に入り、「僕はいつも前半戦が悪いので、少しゆとりができたのが大きかった」という小田は、その後も上位争いを演じ続けて賞金をハイペースで積み重ねる。「お前はフル参戦できればシードを取れる実力があるんだから。優勝もしちゃえ、と周りから言われていました」と周囲のプロ仲間も認める才能は、「最大の目標の選手は、ジャンボ(尾崎)さん」と小田が憧れる、尾崎将司の目にも止まる。

「今年の『マンシングウェアオープンKSBカップ』で初めてジャンボさんとラウンドをしました。その時、“お前のアイアンは一流だ”と言われまして。もう、本当に感動しちゃって」と、嬉々として当時を振り返る小田。「その後もジャンボ軍団の方から、“ジャンボさんがお前のことを褒めていたぞ”って聞いて…。最近は話しかけてくれるようになったんです」。

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さらに、「皆さん、1回ラウンドすると僕のゴルフを褒めてくれるから自信になるんです。伊澤さんや片山さんも自分のゴルフを見て、認めてくれたから話しかけてくれると思うんです。自分のショットを多くの人に見てもらって、もっともっと認めてもらいたいですね」と、目標とするプロたちの自分に対する評価が、そのまま自信へとつながっているという。その中には、「お前はパワーがあるし、アメリカの長い距離でも苦にならない、と言われます。友利さんからは僕の低い弾道はヨーロッパでも使えるよ、とも言われました」と、早くも“小田は海外で通用する”と太鼓判を押す声も混じっているそうだ。

では、小田自身が海外ツアーへ抱く想いとは、どのようなものなのだろうか。

まずは国内で1勝、そしてアジア、欧州、米国へ

「実際、日本のツアーで優勝できていないのに海外に行ってどうなるのか、とは思うんです。賞金王になって日本の頂点を極めてから、というなら話は変わってくるんですけどね」。

「僕は一歩一歩、進むタイプなので、まずは国内で1勝を挙げてから。それで日本のシード権が確定すれば、まずはアジアンツアーのQTを受けてみたいですね。それでいずれは、ヨーロピアンツアー、アメリカツアーという風にステップアップしたい想いはあります。そんな甘いものじゃないとは思いますけど、そういう機会があればまずは挑んでみて、打ちのめされて、また日本に帰ってきて。勉強ですね」。

1勝目に足りないものは、「まだまだ全部」と話す未完の大器、小田孔明。同郷の先輩、手嶋多一との出会いから端を発したゴルファーとしての源流は、父親との二人三脚による厳しいトレーニング、そしてプロ仲間との切磋琢磨により、着実にその川幅を広め、流れの強さを増している。“海外で通用する”と周囲が口を揃える29歳、大海に出る日が待ち遠しい。

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