女子プロトーク

元祖アイドル系プロから笑顔が消えた日々

2024/07/13 00:05
苦しかったレギュラーツアー時代を振り返る

同時期にプロデビューした選手は、実力に加えその華やかな出で立ちから「アイドル系プロ」としてメディアで注目された。北田瑠衣辻村明須香らに加え、古屋京子もその一人で、菓子メーカーの全国CMに抜擢されるなど目立った。一方で、プロデビュー5年目頃からは試合で思うような結果を出せない焦りと向き合うことになる。レギュラーツアーの厳しいセッティングに対して、技術と飛距離の課題に直面した。スイング改造にも挑戦したが、ドライバーイップスに陥るほど感覚はゆがんでいった。曲がらない安定したプレースタイルが強みだったアマチュア時代にはもう戻れず、試合に出場すれば予選落ちして負の連鎖から抜け出せない。プロになって苦しさとつらさがこみ上げ、自身のゴルフの限界を感じ始めた。


そんな中、知り合いの紹介で武井ジョージコーチと出会い、徐々に“ゴルフ感”を取り戻していく。何事に対してもポジティブに捉えるコーチングがマッチし、細かい部分を気にし過ぎて基礎の部分がおろそかになっていたことに気付いた。スイングや飛距離に対しての考え方も変化していく中で、16年度のツアーでは繰り返していた予選落ちの沼からも抜け出し、徐々に結果を出せるようになっていった。「20歳くらいで出会っていればレギュラーで勝てたのに」と当時を悔しがるその笑顔は、明るかった。