2014年 マスターズ

<堀江x三田村 6>ホリエモンが語る「国内ツアー」の重要性

2014/04/09 11:47
国内ツアーの重要性について熱く語るホリエモン

【堀江貴文(以下、堀江)】 僕はよくJリーグに喩えるんですけど、Jリーグの発足当初ってプレミアリーグとそんなに規模の差がなかった。でも20年間でこんなに差がついちゃった。プレミアリーグって言ったって、単なるイギリスの、それもイングランドのローカルリーグなんですよ。なのに、それが今や世界的になっている。それはやっぱりマーケティングが上手かったから。ロシアとか東南アジアとか、どこの国にいっても人気ナンバーワンだし、アブラモビッチ(ロシア/チェルシーFCオーナー)やタクシン(タイ/マンチェスター・シティFC元オーナー)がチームを買ったりもする。みんなが競ってお金を入れたがるリーグになったんです。

【三田村昌鳳(以下、三田村)】 うんうん。

【堀江】 Jリーグもそうなる可能性はあった。あの時(発足当初)って世界のきら星のような選手が日本にきてプレーしていたわけじゃないですか。なんでこうなっちゃったのかなって…。選手がみんな海外に行っちゃって、それをまた喜んでいるところがアホだなって。「今年の日本代表はみんな海外のチームでプレーして、ACミランでは…」みたいな。いやいやいや、それ喜んでいいのかって。

【三田村】 プロ野球も下火になってきて、日本のプロスポーツってマスコミも含めて海外で活躍するってことだけにスポットを当て過ぎていて、それはそれで大切なんだけど、ローカルをどう固めていくかって必要ですよね。

【堀江】 そうそう。確かにグローバルに見なくちゃいけないけど、ローカルリーグをいかに世界的にみて競争力のあるリーグに育てていくかは大事です。少なくとも日本の女子プロゴルフは東南アジアとか、韓国、中国ではかなりうまいこと行き始めている。アメリカのLPGAともそこまで差がないですよね。

【三田村】 もう1つは階段が見えないんじゃないのかなと。たとえば車で言えばF3000、F1というレベル的な階段があって、レーサーもそこに行きたいというのがある。日本ってプロゴルファーがどこを目指すかっていうしっかりした階段がないから、とりあえず目先の賞金が沢山あればいいってくらいで満足してしまう。試合もレベルとしての階段があれば、次はここって、次はここって…。

【堀江】 チャレンジツアーとかありますけどね。

選手のレベル、賞金など段階的なツアー構成が必要と説く三田村昌鳳氏

【三田村】 チャレンジに出ている選手ですら、出た方がいいのかなって思い始めてる。去年、ファイナルQTのガイダンスで(講師として)話したんですけど、「来年もQTにチャレンジした方がいいですか?」って質問をされる。100万円近いお金を使ってエントリーして、以前は休む人が多かったからQT35位くらいまでは本戦に出られたんです。それが、試合数が少なくなると上の人がなかなか休まないから、今は20位とかそれくらいまでしかチャンスがない。その下の人は試合に出られるチャンスもないのに、それだけのお金をかける意味がないって思い始めてる。

【堀江】 それはきついっすね。

【三田村】 もっと拾ってあげないといけない。

【堀江】 やっぱ試合を増やすしかないんですよ。安い試合を増やすしかない。それでもスポンサーになってくれる人を探すしかなくて、僕はおそらくそれは企業ではなく、個人だと思います。だからプロアマとか、ゴルフ好きのおっさんをターゲットにしてやっていくしかない。あとは裾野を広げること。ゴルフファンを増やすしかない。

【三田村】 なるほどね。

【堀江】 幸か不幸か、ゴルフ場の利用料金って安くなっているんですよ。客単価で東京ディズニーリゾートに抜かれた。これはすごく良いことだと思うけど、だからこそカジュアルにゴルフするってことをしないといけなくて、ゴルフが“一日仕事”になっているのを変えないといけない。それにはスループレーをみんなが導入しないとダメ。目先の収益に気をとられ過ぎている。

【三田村】 普通、ゴルフ場の食堂で豪勢に昼食を食べる必要は無いわけですよ。その意味がない。

【堀江】 例えば沖縄のゴルフ場にいくと、スパムバーガーとかハンバーガーとかが売っている。売店で軽食とか、かなりのものが食えるって方が建設的だと思う。沖縄の茶店っていいですよ。

【三田村】 関東でも2~3年前から、夏だけスループレーっていうのを心掛けているところはありますね。

【堀江】 ブリストルヒル(GC./千葉)とか良い感じですよ。イーグルポイントもスルーでプレーできて、サンドイッチとか頼んだら持ってきてくれる。そういうようなゴルフ場が増えてきて欲しいですね。もっとカジュアルにできる。そうしないとお客さんは増えないですよ。

(第7回につづく)

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