2014年 マスターズ

<堀江x三田村 5>ホリエモンも松山に期待「日本ツアーと連動させたい」

2014/04/08 10:13
松山英樹の原動力について語る三田村昌鳳氏

【堀江貴文(以下、堀江)】 松山英樹、すごいですよね。僕は会ったことがないので分からないけど、一緒に回った人からは良い奴らしいって話も聞きますよ。

【三田村昌鳳(以下、三田村)】 すごい朴訥、素朴ですね。僕は最初「偉大なる鈍感力の持ち主」っていう原稿を書いたんです。自分が(ゾーンに)入っちゃうと全然細かいことを気にしなくなる。無駄なプレッシャーとかを知らない間に排除できている。

【堀江】 それはいいですね。期待できるんじゃないですか?

【三田村】 マスターズは初出場でローアマを獲って27位。去年のメジャーは2回続けてベスト10に入っている。今までそういう選手は現れていないんです。

【堀江】 大学を卒業したことはまったく理解できないですけど(苦笑)。だって卒業する意味がない。プロゴルファーって別にゴルフしかやらないわけだし、その辺はコンサバティブなのかなって。

【三田村】 松山は世界のアマチュアゴルファーの視点からいうと、超エリートゴルファーなんですよ。世界アマチュアランキングで1位になった。初めてのマスターズでローアマを獲った。アジアアマも勝った。日本でいうと学生からプロになって「さぁこれからどうなる?」っていう期待感しかないけど、世界、特に東南アジアとかヨーロッパのアマチュアゴルファーから見れば憧れの的ですから。

【堀江】 確かに。

【三田村】 松山自身も(マスターズで)ローアマを獲ったあのシビレはなんとも言えない訳ですよ。

【堀江】 なるほど、なるほど。

【三田村】 それで、やっぱり次は勝ちたいっていうのが彼の1つの目標にある。だから、マスターズ以外の全米オープンとか、全英オープンとかの優勝争いをしても、ゴールはマスターズに勝つこと。そのために力をつけるんだっていう大きな目標をプロになる前から持てた。それが彼を支える今のエネルギーなのかなって感じがします。

【堀江】 しかし、それと日本のプロゴルフ界をうまく連動させたいですよね。

【三田村】 そう、そこが今の問題。

日本でメジャー級の大会がやれていたかもしれないのに・・・。あの時代を悔しがるホリエモン

【堀江】 結局できなかったわけですよ。バブルの頃って、日本のゴルフ界の売り上げが最大規模になったけど、それをまったく生かせてない。たとえば世界ゴルフ選手権(WGC)すら開催されていないし、もちろんメジャーなんか入れっこない。僕はあの時代が最後のチャンスだった気がするんです。あのとき上手くやっていればメジャーに次ぐ規模の試合が日本で開催され続けていても本当はおかしくなかった。

【三田村】 さっきのゴルフクラブの短パンの話(編注*堀江連載3)と非常に似ている構図がゴルフ界の組織の中にもあるのかな。というのは、本当にビジネスとして泥をかぶってもいいからやろうっていう基本的な一丸となるパワーがないんじゃないのかなって。

【堀江】 汲々として自分たちの威厳を守ることとか、縄張りを守ることとか…。

【三田村】 もしくは、「武士は食わねど高楊枝」っていう。

【堀江】 そういうのもありますね。

【三田村】 スポンサーが金を出さないからダメなんだとか、テレビの放映権の話とか、昭和の図式をひきずっている。

【堀江】 その図式はありますね。でもそれはねぇ、なかなか変わらないですよ。

【三田村】 でも何かできるのかなって。

【堀江】 もったいなかったですね。

【三田村】 もったいなかった。タイミングを逃しちゃった。

(第6回につづく)

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