堀江貴文ゴルフ

<堀江×川淵1>Bリーグ開幕 バスケは拡大、ゴルフは縮小?

2016/09/23 11:15

川淵三郎氏vs.堀江貴文氏 対談その1

川淵三郎氏と堀江貴文氏。ゴルフ好きで前例にとらわれない改革派の2人の対談はヒートアップしていった

男子バスケットボールの新しいプロリーグ「Bリーグ」が22日、開幕した。初代チェアマンで、1993年のサッカーJリーグ立ち上げにも敏腕を発揮したのが、首都大学東京理事長の川淵三郎氏(79)だ。実は、Jリーグ時代から毎年キャプテンズカップというゴルフコンペを開催し、2013年には「75」のエージシュートを達成した熱心なゴルファーでもある。そんな川淵氏と堀江貴文氏が対談。スポーツビジネスから組織論、ジュニア育成へと膨らんでいった会話をティオフする。(取材構成/編集部・今岡涼太)

【堀江貴文氏(以下、堀江)】川淵さんのやられていることって、すごい時流に乗っていると思います。周りはバスケにそんなお金を出してどうするの?って言いますけど、僕は全く逆で、いま張っておけば5年後10年後は2倍や3倍どころじゃないと思っています。

関連リンク:Bリーグ公式サイト

【川淵三郎氏(以下、川淵)】かなりいくと思いますよ。

【堀江】僕もお金があればBリーグに張りたいですもん。ベンチャー投資みたいなものです。

【川淵】バスケットには可能性があるからね。競技人口が多いんですよ。高校生までだと約58万人が登録している(注:日本バスケットボール協会への選手登録)。そこから先の登録選手は6万人だけど、女子選手も28万人くらいいる。こういう人たちの年齢が高くなっても、バスケットボールを見たいという気持ちにさせる施策をすればいいんです。これまでは(施策が)ゼロだった。完全に宝の持ち腐れだったんです。サッカーでは女子は5万人いくか、いかないか。それを考えると、バスケットが発展する可能性ははるかに大きいです。

【堀江】それに、もっと大きな流れでいうと、世界的にロボットやAI(人工知能)が仕事をするようになると、人がやることが減って余暇が増える。そこで何をやるの?となればゲームやスポーツになるわけです。なかでもプロスポーツは花形です。そう考えると、これから裾野はどんどん広がっていくはずです。

【川淵】本当にそう。

【堀江】昔よりスポーツを楽しんでいる人は多いですよ。例えばマラソンやトライアスロンの人口はすごく増えています。僕も最近トライアスロンをやっているんですけど、どのレースも秒殺で定員になっちゃいます。申し込みが始まったら1日か2日で埋まりますね。

【川淵】すごいねえ。

【堀江】マラソンにいたっては全部抽選です。今年の東京マラソンは10万円を払って出るチャリティ枠も埋まりました。すごい人気なんですよ。トライアスロンなんて自転車1台50万円くらいするからゴルフよりもお金が掛かるのに、そんな状況です。その最高峰のアイアンマンレース(水泳3.8km+自転車180km+マラソン42.195km)が世界50カ所くらいで毎年開催されている。「時間に余裕があって、体力に自信があって、お金もなくちゃできない」エグゼグティブなスポーツなのに、それに毎回2000人とか参加するわけです。その運営会社を700億円くらいで中国の不動産会社が買収したんです。それだけスポーツマーケットが広がっているのに、ゴルフがシュリンク(縮小)しているのは、絶対におかしいです。

関連リンク:ホリエモンのアイアンマンレース挑戦記録

【川淵】ゴルフはやったら楽しいけど、その楽しさを知らないんでしょうね。昔、サッカーをやっていた頃は、ゴルフは「スポーツにもならない」「散歩にもなりはしない」なんて思っていたけど、年齢を経た今ではもちろん散歩以上の立派なもので、緑豊かなコースでプレーすると贅沢な気分になりますからね。やる機会さえあれば、皆やりたくなるはずなんだけど、チャンスがないのかなぁ。

【堀江】何かが間違っているんでしょうね。それこそ、ゴルフは世界中でできますからね。ゴルフ場のない国ってなかなかないですから。

【川淵】堀江さんがいったように大きく変わる可能性はあるよ。バスケ統合の時も、関係者は(債務超過と見られていたbjリーグの資本金)15億円をどうするかっていう話ばかりで、全然統一することは考えられなかった。これまで上手くいかなかったのは経営ミス。今までのやり方を変えたら100億、200億の市場にできる可能性もあるって言ったら、みんなようやく変わっていった。そういう“コペルニクス的転回”がなければ、いつまで経っても変わらなかったよ。

【堀江】確かにゴルフは今のままだとこの先もずーっと状況は変わらないでしょうね。

【川淵】みんな夢が小さいんだよ。自分たちの能力や価値を分かっていない。その価値を高めて、今までとは全く違う発想の転換をしないといけない。これまでの延長線上でモノを考えている限りは何も変わらないでしょう。(続く)