<古閑x堀江4>不動裕理の存在 盛り上がる構図
古閑美保x堀江貴文 対談その4(全9回)
【古閑美保プロ(以下、古閑)】いや、本当です。不動さんが優勝し始めたとき、ちょうど私が21歳ぐらいで、プロとして名前が出てきた頃なんです。不動さんが4度目の賞金女王になった年(2003年)に、私、初優勝したんです。その年に初優勝と2勝目もしたんですけど、その次に宮里藍とか横峯さくらが出てきたんです。その時期に不動さんは絶対的な地位を確立させた。賞金女王を6年連続で獲ったんですね。皆が不動さんに挑んでいきましたし、私も何回も不動さんに優勝を阻止されているんです。それでも!って皆が行くわけじゃないですか。でも、絶対にあの人には勝てなかった。それで、面白くなって視聴率が上がっていたんです!
【堀江貴文氏(以下、堀江)】あー、そうだったんですね。
【古閑】そうです!!
【堀江】不動さん、絶対的なヒール(悪役)だったんですね(笑)。
【古閑】・・・(苦笑)。でも、本当に腕だけで稼いだ人ですよ。それで、私が23、4歳のときに馬場ゆかりさんとか、北田瑠衣さんとかが出てきて。それに当時は不動さんだけじゃなく、福嶋晃子さんもいましたし、服部道子さんも強かったですし、肥後かおりさんとか、木村敏美さんとか、あの辺の人たちもいたんです。不動さんは確かに絶対的な存在でしたけど、それにプラスして職人肌の選手が多かったのと、ちょっと明る目の服を着た若い子たちが出てきたのもあって、色々なことが重なって女子が面白くなりましたね。
【堀江】なるほどねえ。
【古閑】今、ぽっと出の子がいても、それを潰す実力者がいなんです。だから誰が優勝するか分からないじゃないですか。
【堀江】そうですよね。最近は混戦気味ですよね。そういえば、申ジエって今、日本にいないんでしたっけ?
【古閑】いますよ。
【堀江】なんで、あの人、一時期あんなに強かったんだろう。全くドライバー曲がらなかったよね。
【古閑】女子って、出るのも早いし、終わるのも早いんです。
【堀江】あ、そうなんですか。
【古閑】アメリカのジュリ・インクスター(注:54歳で未だ現役の女子プロ。メジャー7勝を含むツアー31勝)とかは稀だと思います。アニカ(ソレンスタム)も長くやった方だと思います。(ロレーナ)オチョアなんか、1位のまますぐ辞めましたからね。
【堀江】そういうと、宮里藍ちゃんとかすごいですよね。
【古閑】すごいと思います。ずっと末永くやれる人っていうのは多分ゴルフが好きですし。
【堀江】それって、なにかあるんですかね。マインドの問題とか?
【古閑】私が思うのは早熟ですよね。ゴルフってメンタルって言われているのが最近分かるようになってきて。心が成長してこないとゴルフはうまくならないって思うんですね。男性って40歳くらいが上手くいく世界じゃないですか。でも女子は結構早く大人になる。だから、勝みなみちゃんが去年優勝したりとか。人としては全然子供かも知れないですけど、早くからやっているから、ゴルフに関しては早い段階で大人になりますね。
(その5に続く)→「古閑美保の“女子プロ20年論”」