ゴルフフェアでいちばん気になったアイテムは何?新人記者が選んだのは…
3月7~9日にパシフィコ横浜(神奈川県)で開催された「ジャパンゴルフフェア(JGF)」。入社3年目の筆者が、その中で見つけた気になるアイテムを紹介したい。
かつてのゴルフフェアは、最新ゴルフギアを披露する場所だったというのは、先輩社員から昔話のように聞いている。SNSが普及した昨今、すでにたいていの新製品情報は新人記者の私の耳にも入ってきている。「目新しいものはないだろう」と高をくくって歩いていると…なんだこれは?「MCタマー」や「球置好児」と書かれた派手なのぼりが立ったブースを発見した。そのネーミングも気になるが、驚いたのはその機械だ。
ボールを打つと次の球が自動的にセットされ、連続で球が打てる代物。まるで練習場の自動ティアップのよう。「これは練習場用?自宅で使うの?」と質問がいっぱい浮かんできた筆者は、そのブースに吸い込まれるように入っていった。
開発のきっかけはレッスンコーチの“ボヤき”
ブースにいた開発者の勝又大佑氏(株式会社GD Function代表)に話を聞くと、開発のきっかけは普段レッスンを受けているコーチの何気ない一言からだったという。
「コーチが『打つたびにボールをセットするの地味に疲れる。腰にくるんだよなぁ…』とある時ボヤいたんです。その時に『これだ!』とひらめきました。確かに屋外練習場は自動ティアップ機も当たり前ですが、スタジオではなかなか見かけません。人力で連続打ちの練習をするのは負担が大きく危険も伴う。これは自分で作るしかない」。そうして生まれたのが、初代の連続打ち専用球出し機 「MCタマー」だ。新卒3年目の筆者にはピンとこないネーミングだが、先輩の話によれば思わず踊りたくなる響き…らしい。
「MCタマー」は約3kgと軽量で持ち運びが簡単。機械自体には8球までセットでき、別売りのトレイを追加すれば最大15球まで対応可能とのこと。連続打ちは「素振りのように打てるようになる」という触れ込みで、多くのコーチが推奨する有効な練習方法だ。練習場でボールを並べられるのは3球ほどが限界なので、これがあれば間違いなく上達スピードは加速しそうだ。
進化した“球置好児”がスゴい
いいこと尽くめで便利な「MCタマー」にも弱点はあった。ボールの容量が少ないこと、また、アームが短いためにボール位置が機械に近すぎて、初心者がスイングすると“タマー”に当たってしまうトラブルが発生したのだった。そこで勝又さんは考えた。改良を重ねて誕生したのが、進化系モデル“球置好児(たまおきこうじ)”だ。横にいた先輩記者が「メーロディ~♪」と歌いだしたのは放っておこう。
球置好児は優れものだ。アームが長くなってボール位置と機械の距離が遠くなっただけでなく、ボールの容量も大幅にアップ。コンパクトタイプでMCタマーの5倍となる40球、大容量タイプは50球以上を内蔵可能になった。さらに打った後に戻してきたクラブが玉置好児の前を通るとセンサーが検知して自動で次の球をセット。自分のリズムで連続打ちができる。
「連続打ち=スポ根」と思っていた筆者にとっては衝撃。ゴルフ部や野球部では、先輩のために後輩がボールをセットする光景をよく見てきたが、時代の進化とともにそうした伝統すらも機械に取って代わられていくのだろうか…。
さらに進化した“ドラ連もん” 登場!?
そんな話を聞いていると、試打ブースの中では他のお客さんがティアップされた球を連続で打っていた。「球置好児ってティアップバージョンもあるんですか?」と勝又氏に疑問をぶつけると、なんと開発中の試作品だった。
「ドライバー練習に特化したモデルです。『ドラ連もん(仮)』といいます」と勝又氏。これまた突っ込みどころたっぷりなネーミング。聞けば、直置きにも対応しており、従来は反応しにくかった黒系や光沢のあるクラブでも正確に作動するよう改良しているという。まさに“未来から来た進化版”ではないか。試作段階で世に出るかは未定とのこと。家に鳥かごがあるなら、コレ欲しいな~。
それにしてもこの商品名、妙に親しみやすくて一度聞いたら忘れられない。次はどんなネーミングの機械を開発してくれるのかな?(編集部・仮屋美遊)