米国男子ツアー

100年前のゴルフ雑誌広告 宣伝文句は今も同じ?

2018/06/30 17:10
100年前のゴルフクラブの広告も飛距離や安定感を売りにしていた

「全米オープン」などを主催する全米ゴルフ協会(USGA)の本部は、ニュージャージー州のファーヒルズという小さな町にある。敷地内には数棟の建物が点在。そのひとつにゴルフの歴史を詰め込んだといえる図書館があり、一世紀以上も前のゴルフ雑誌の広告を眺めてみた。そこに書かれる謳い文句は、いまとさほど変わっていないように思えた。

1918年のゴルフ誌『THE AMERICAN GOLFER』に載ったマグレガーの新ドライバーのキャッチコピーは「Greater Distance(飛距離が伸びる)Better Direction(方向性が良くなる)More Accuracy(さらなる正確性)」だった。同じページに掲載されたボールの広告は、当時にしては派手な色合いだ。大きな文字で「The Longest Driving Golf ball(最も飛距離の出るボール)」と書かれ、その下には「Innumerable Trials Have Proved This(様々な試験でこれを証明しています)」と念が押されている。クラブもボールも現在の広告と同じような宣伝文句だ。

当時にしては派手な色合いの広告。最大の売りは”飛距離”

ちなみに1898年の月刊誌『THE GOLFER』で紹介された広告掲載料は1ページ60ドル、半ページ30ドル、4分の1ページ15ドル、8分の1ページ7.5ドル。6カ月連続の広告掲載で10%オフ、12カ月連続で20%オフとなっているが、雑誌1冊15セントの時代にしては、かなりの高額といえる。

『THE AMERICAN GOLFER』にはクラブやボール以外の広告も多く掲載され、左手に棒状のものを持ち、その手でスイングフォームをとる男性の写真があった。その横には、同じ姿勢の男性のイラストが描かれ、左上半身は筋肉の絵が。この棒状の商品は、スイング中の体の左サイドや左腕を鍛える「Machine」というそうだ。

どれもこれも、それぞれが当時にしては革新的だったのだろう。メーカーは自信を持って広告を打ち、消費者は心を揺さぶられる。なんとかして、できればラクして理想的な自分になりたい…と。技術の進歩は確かでも、ゴルファーが目指しているものは100年前と同じ。そして人の欲も変わっていない。(編集部・林洋平)

100年以上前から育毛の広告がある
楽に理祖的な自分になりたい。人の欲求は100年経っても変わらないのだ