2018年 マスターズ

78歳ジャック・ニクラスの新発見

2018/04/07 06:21
長年のライバルであり、よき友達。ゴルフ界のレジェンド2人(Jamie Squire/Getty Images)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 2日目(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72)

大会初日の朝8時。公式に「マスターズ」開幕を告げる朝一番のティショット“オナラリースタート”を行った「マスターズ」6勝のジャック・ニクラス(78歳)と、同3勝のゲーリー・プレーヤー(82歳/南アフリカ)。

セレモニー前、プレーヤーはニクラスにこう言った。「心配しなくていい。いまは自分の方が飛ばすけど、これまで50何年も君は僕のことをアウトドライブしてきたのだから…」。実際、セレモニーでプレーヤーは、ニクラスの数ヤード先へと1Wショットをかっ飛ばした。

この厳かなセレモニー中、オーガスタナショナルのチェアマン、フレッド・リドリー氏は「2人合わせてマスターズ10勝の…」と紹介したが、実はこれは9勝の間違い。ニクラスはプレーヤーに「4回勝った?」と聞くと、「3回だ」という答え。ニクラスは「自分は7回勝っていない」と返したという。

セレモニー後の2人そろった記者会見で、ニクラスは「だから、あのティショットが何を意味しているか、分かるだろう?(プレーヤーは)グリーンジャケットをもう1つ獲得したのさ」と、この言い間違いを笑い話に変えてしまった。

ところで、この会見の冒頭で、グリーンジャケットを着た司会役が2人のレジェンドの「マスターズ」に関する記録を紹介した。プレーヤーについて「23回連続予選通過、52回出場、164ラウンドをプレー」と言ったところで、ニクラスが「自分は何ラウンド?」と尋ねると、司会役は「163回です」。

「おい、冗談だろ。冗談だろ?」と、わずか1ラウンド差で負けていたことに目を見開いたニクラス。「人生は驚きに満ちている」とその横から落ち着き払ったプレーヤー。「それは知らなかった」というニクラスに、プレーヤーは「知っているかと思っていたよ」とほくそ笑んだ。その後も興味深い話は続くのだが、それはまたの別の機会に。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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