2016年 AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ

日本では馴染みのないアマ混合 プロの捉え方は?

2016/02/13 16:11
同じチームのジェイク・オーウェンとジョーダン・スピース。確かに仲の良い人と組んで戦うのは面白そうだ。

日本ではあまり見ることのないフォーマットだ。今週、カリフォルニア州にあるペブルビーチGLをメイン会場として開催されている米国男子ツアー「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」は、試合中もプロとアマチュアが一緒に回る。プロによる通常のストローク戦のほか、プロ1人とアマチュア1人がペアを組んだチーム戦も並行して行われるのだ。

チーム戦は、アマチュアのネットスコア(ハンデ込みのスコア)と、プロのスコアの良い方がチームスコアとして採用される。たとえば、該当ホールでプロがパー、ハンディキャップのついたアマチュアもパーを獲れば、そのホールのチームスコアはハンデ込みで「-1」といった具合。

通常、PGAツアーでは2日目を終えて上位70位タイまでが予選通過となるが、3コースを使う今大会は3日目を終えて上位60位タイまでが通過となり、最終日をプレーできる。それ以降の70位タイまでの選手は、予選通過扱いで賞金およびフェデックスカップポイントはもらえるが、最終日にプレーはできない。いわゆるMDF(最終日の出場人数制限によるセカンドカット)と同様の扱いとなる。

チーム戦に関しては、上位25チームが最終日もプレーをする。面白いのは、そのペアリングだ。チームは常に同組で回る。この原則に沿って、通常の試合と同様にプロを成績順に並べたあと、予選通過したチームのアマチュアを加え、最大4人になるように組んでいく。組によってはプロ2人とアマ2人、プロ2人とアマ1人、プロ4人といったバリエーションが生まれてくる。優勝争いの最終組にアマチュアが混じってプレーをすることも起こりえるのだ。

開幕前、著名なカントリー歌手であるジェイク・オーウェンとチームを組むことになったジョーダン・スピースはこう言った。「今週の試合は独特だし、とても楽しい。このペアリングで、どうして楽しめないことがあるんだい?でも、自分は勝つためにここに来ている。チームが勝てたらより素晴らしいけど、チームが勝って自分が2位になるよりも、自分が勝ってチームが2位になる方がいい」。それを聞いて、オーウェンがうなずいた。「そうだね。僕は君を責めないよ(笑)」

さて、2日目に首位タイに浮上した岩田寛はどうだろう。ラウンド中はアマチュアと笑顔で会話をしているようだが、「6割くらいは何を言っているか分かるけど、なんて返していいか分からない――」。とはいえ、落ち込みそうになったときに励ましてくれたり、バーディを喜んでくれたりと、意外と支えになっているようにも見受けられる。「まあ楽しいですよ。ラインを踏まれたり…。そういうのも楽しんでやっています」。完璧主義の岩田にとってアマチュアは、ちょうどよい緩衝材のような存在かも!?(カリフォルニア州モントレー/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

2016年 AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ