2015年 全米オープン

ゲーリー・プレーヤー キャリアグランドスラム達成から50年

2015/06/19 14:59
キャリアグランドスラム達成から50年となったゲーリー・プレーヤー(Scott Halleran/Getty Images)*撮影は2015年インスペリティインビテーショナル2日目

ゴルフ界で4大メジャーと呼ばれるのは「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」「全米プロ」の4大会。そのキャリアにおいて、この4大会すべてを制することは“キャリアグランドスラム”として特別な価値を与えられている。

現在に至るまでこの偉業を達成したのは、達成順にジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、ジャック・ニクラス、そしてタイガー・ウッズの5人だけ。今年2015年は、プレーヤーが1965年にミズーリ州セントルイスにあるベルリーブCCで行われた「全米オープン」を制し“キャリアグランドスラム”を完成してから、ちょうど50年目の節目にあたる。

「それはとても大きなことだった」とプレーヤーは言う。「今の若い人はほとんど知らないだろうけど、サラゼンは素晴らしいゴルファーだったし、ホーガンのうまさは表現しようもない。今の時代に彼ほどうまく球を打つ選手はいない。私にとっても、私の国にとっても、それはとても興奮することだったんだ」。

偉業を成し遂げる人は、プレーヤーの言葉を借りれば“それ”を持っているのだという。「“それ”を表現することはできないけど、私の意見としては、神様からの借り物のようなもの。困難を受け入れられるか?苦痛を楽しめるか?必要なときに冷静でいられるか?3パットを受け止めて、次のティでも前向きでいられるか?そんなたくさんのことの組み合わせのようなものだよ」。

キャリアグランドスラム達成に、首位と4打差14位タイで初日を終えたフィル・ミケルソン

2013年に「全英オープン」を制して以降、“キャリアグランドスラム”に王手を掛けているのはフィル・ミケルソン。残された1つのピースは、今週行われている「全米オープン」だ。

なぜ、「全米オープン」に勝てないのか?プレーヤーの洞察は明確だ。「1Wショットが下手だから」。厳しいピンポジションが切られる「全米オープン」では、球にスピンを掛けて止めることが要求される。「彼を見ていると、いつもラフから打っているだろう」。それでは、この試合に勝つことままならない、というワケだ。

だが、今週のチェンバーズベイでミケルソンが優勝する可能性は低くないのかもしれない。ミケルソンはこう言っている。「(曲げても)リカバリーできる場所が沢山ある。それに、バーディを狙えるホールもいくつかある。オーガスタやセントアンドリュースのように、完璧でなくても良いというプレーのしやすさがある」。

この日行われた大会初日を1アンダーの14位タイで終えたミケルソンは、「とても満足しているよ。一番ナーバスになる全米オープンの初日をアンダーパーで終えたのだから」と満足げだ。虎視眈々と、目指すは史上6人目の快挙達成だ。(ワシントン州ユニバーシティプレイス/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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