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2015年 マスターズ
期間:04/09〜04/12 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

開幕前日!松山英樹、4度目のマスターズへ求め続けた「普通」

2015年のメジャー初戦「マスターズ」が9日(木)に開幕する。ジョージア州オーガスタナショナルGCで2年連続4度目の出場を果たす松山英樹。前週から重ねてきた当地での調整を8日(水)に終えた。

ティオフ前日の恒例行事、パー3コンテストには今年もエントリーしなかった。開幕前の雨水を吸い込んで咲き乱れるアゼリアの花。松山はそんな周囲のお祭りムードとは少し距離を置いて、ただ着々と準備を整えた。

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午前8時からインの9ホールをビリー・ホーシェル、予選同組のウェブ・シンプソンらとプレー。16番(パー3)で、アマチュアのスコット・ハーベイを誘い、一緒に水切りショットを披露したシーン以外は、目には鋭さが漂った。

練習ラウンドを行ったこの2日間は終始、ほぼ無風状態。「試合になったら風が吹くと思うけれど、風のない状態で(練習を)できることもなかなかない。その時の練習にもなる」。コースチェックは「去年と変わりはない」と、とっくに済ませている。自分の状態の確認作業を続け、午後1時過ぎには練習場を後にした。

調子は?「普通かなあと思います。良いとは言えない。悪いとも言えない」。気持ちの高ぶりは?「変に緊張もしていない。普通の感じ。『やってやるぞ』という感じでもなく、ホント、普通の感じ」

威勢の良い言葉がなかなか出てこない。リップサービスも相変わらず下手だ。けれど、「普通」のフレーズは聞き逃せない。ちょうど1年前、松山は“普通”ではなかった。マスターズの数カ月前から左手親指付近の負傷に悩まされた。痛みが消えても、調整不足という不安がつきまとったまま開幕を迎えた。「中途半端な感じで」と消化不良のまま2日間でコースを去った。

今週の練習ではドライバーショットを右に吹かすシーン、アイアンでグリーンをとらえきれずショートさせるミスも散見された。パッティングは「微妙」。ストロークとライン取りの修正を繰り返し、練習場で特に熱が入った。周りのプロたちも絶賛するショットを見せていても、首をひねり、不機嫌に感触を求め続ける。

しかし、そんな姿こそが、昨年「ザ・メモリアルトーナメント」で初勝利を飾ってからの、松山の“普通”だ。普通の状態であれば、上位争いに加われる可能性が存分にある。それを実績で証明してきた。

2011年、初出場時にローアマチュア獲得の快挙。12年、最終日に思い通りのプレーができず、悔し涙を流した。昨年、初めて味わった予選落ちの屈辱。過去3度のマスターズはどれも濃密だったが、その経験が、必ずしも有利かといえばそうでもない。

「どっちもありますね。良いと思うところも、知らなければよかった、というところもある。最初だったら、風の吹き方が分からないですし。みんなが迷う12番(パー3)も、(考えずに)そのままボンと打っちゃえばいいこともある。知れば知るほど、考えて難しくなる。だから良い方だけを考えてやっていきたい」。冷静にセルフマネジメントの重要性を説いた。

かつてこれだけ、マスターズ制覇の夢に現実味を覚えさせた日本人選手が、どれほどいただろうか。海の向こう、日本からの声援はしっかり耳に届いている。それは重圧にもなり得るか?大丈夫。松山は毅然と言った。

「期待される声は大きいですけど、そんなことを考えずに、後悔しないようにできたらいい。プレッシャーをかけられても、自分は自分でしかない。変わり様がない」

オーガスタで“普通に”プレーできることこそが、松山がこの1年望んできたものだったのかもしれない。準備は整った?「それなりには、できた」。ティオフ前の意気込みは、それで十分だ。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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