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今田竜二 苦境でタッグを組んだ戦友

シード権を落としてから3シーズン目。今田竜二は、置かれたいまの状況を「ゴルフ人生で一番悩んでいる時期」と言う。日本人で4人しかいない米ツアー優勝者のひとりが、主戦場の下部ツアーとレギュラーツアーの少ない出場機会を頼りに、もがき、苦しんでいる。

今年最初の試合となった1月「ソニーオープンinハワイ」で予選落ち。その後2試合出場したウェブドットコムツアーでも決勝ラウンド進出を逃した。迎えた今週、12日(木)に開幕した「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」は、待機選手からの繰り上がりで直前に出場が決定。今田に寄り添って歩くのは、日本ツアーで戦う貞方章男だった。

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2人はかつて中学時代に海を渡り、米国で寝食をともにした時期を経て、一緒に腕を磨いた仲。1月末から日本ツアー開幕に備え、フロリダで自主トレをしていた貞方に依頼し、スポットでのコンビ結成となった。

全選手が3コースをプレーする予選ラウンド初日。スパイグラスヒルCCを今田は5バーディ、2ボギーの「69」で回った。3アンダーは38位タイ。3つのうち最も硬いとされるグリーンをしっかり攻略し、上々の滑り出しを見せた。

ただそれも「スコアだけ見ればかなりいいスタートだけど課題はたくさん」と歯切れが悪い。「ショットは最低ですね。ほんとに今日は、アプローチとパターでしのいだ。ティショットは…もう諦めました。ミスショットがかなり多い」。後半17番ではフェアウェイからピン1.5mにピタリとつけてバーディ。最終18番はショートサイドのバンカーから見事なリカバリーでパーセーブしたが、それで満足するわけにはいかなかった。

心が通い合う仲だからこそ、貞方の表情も今田と同じだった。「やっぱり、ショートゲームはさすが。ティショット?もう僕が代わって打とうかと思った」。他人のバッグを担ぐのは初めてだった。「まさか最初にキャディをやるのがPGAツアーとは…」と苦笑いする。

ラウンド中の2人は同じタイミングで顔をしかめ、同じように白い歯をのぞかせた。「どうしてもプレーヤー目線になってしまって。難しいショットになると(励ましもせず)『難しいショットやなあ、これ』と…なってしまう」と貞方。今田はかつての戦友の起用について「悩んでいるところを、プレーヤー目線で見てもらいたかった。スイング、パットも(ロープの)外から見るのとはまた違うから」と説明。そして「頼りにしているわけですよ」と続けた。

貞方は2008年から日本ツアーに参戦し、ここ数年は待望の初勝利をあと一歩のところで逃す試合を何度も経験している。少年時代に母国を飛び出し、同じ釜の飯を食った下積み時代。そこで得た絆は、太平洋を越えて今もつながる財産だ。(カリフォルニア州モントレー/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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