米国男子ツアー

シーアイランドGCにあるパフォーマンスセンターとは?

2014/10/24 09:06
パフォーマンスセンターのランディ・マイヤーズ氏。多くのPGAツアーメンバーにも助言を与え続けている

ゴルファーにとって理想のゴルフ環境を挙げるとしたら、米国ジョージア州にあるシーアイランドGCは間違いなく、その1つに数えられるだろう。

今週、米国男子ツアー「マックグラッドリークラシック」が開催されているシーサイドコースのほか、プランテーションコースとリトリートコースの計54ホールを抱え、その他にもスパ&フィットネス、テニスにスカッシュ、さらに釣りや乗馬、射撃にヨットも楽しめる。だが、ゴルファーは施設内にあるパフォーマンスセンターを見逃すわけにはいかない。

昨シーズン、フェデックスカップ王者に輝いたビリー・ホーシェルはこの施設を拠点とし、デービス・ラブIIIザック・ジョンソンマット・クーチャーブラント・スネデカーハリス・イングリッシュニック・ワトニーヨナス・ブリクスト(スウェーデン)ら多くのPGAツアーメンバーが今もここを訪れている。

それだけではない。アラバマ大、ジョージア大、フロリダ州立大などゴルフ強豪校のエリートゴルファーや、さらに下の11歳、12歳のジュニアゴルファーまでが、ここで腕をみがき、大学ゴルフ部のコーチを指導することも多いという。

スイング解析ソフトの1画面。体の動きや重心位置、打ち出し角やヘッドスピードなど各種データと連係している

このパフォーマンスセンターで一体なにが行われているのか?それは、シンプルだが極めて合理的なゴルフ上達のためのアプローチだ。

ゴルフフィットネス部門のディレクター、ランディ・マイヤーズ氏はいう。「もっと、練習場で球を打つ時間を減らすべきだね」。逆説的に聞こえるかもしれないが、マイヤーズ氏が重視するのは以下の2点だ。

(1)安定したゴルフスイングができる肉体を作ること。
(2)1日27ホール、36ホールとたくさんのゴルフをすること。

練習場でスイング練習を繰り返すだけではなく、フィットネス、メンタル、ショートゲーム、インストラクションの理解などで総合力を高め、多くのラウンドで実戦感覚を身につける。「ハリス(イングリッシュ)は14歳からここのプログラムに参加しているし、ラッセル(ヘンリー)も昔からだ」。ここに通う選手たちは、お互いに競争しながらさらなるレベルアップにしのぎを削っている。「ゴルフは個人競技だけど、ここではチームのような感覚がある」というマイヤーズ氏の言葉が印象的だ。

同施設では、ナイキ社製のスイング解析ソフトを使い、体とクラブの動きをモニターしながら、ヘッドスピードや重心位置など様々なデータを記録していく。それを、過去の自分や他のプレーヤーと比較しながら、改善ポイントを見つけ、試し、再確認する。理論の押しつけではなく、データを分析した上で解決策が必要な場合は一流の専門家からアドバイスを貰うこともできる。

「Ryo Ishikawaは素晴らしいプレーヤーだけど、壁に当たっているようだね。でも、我々ならさらに良くすることができるよ」。コーチは不要だとしても、自身のスイングを高度に解析して理解する手助けをしてくれるデータ群は、あってマイナスにはならないだろう。(ジョージア州セントシモンズアイランド/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka