2014年 ザ・メモリアルトーナメント

次へ始動!飯田トレーナーと松山英樹の変わらぬ日々

2014/06/04 12:00
優勝を決めた18番グリーンで抱き合う松山英樹と飯田光輝トレーナー

ジャック・ニクラスの見つめる前で、3メートルのウィニングパットを沈めた松山英樹は、両手で力強くガッツポーズ。「ザ・メモリアルトーナメント」で、日本人4人目で最年少の米国男子ツアー制覇を成し遂げた松山だったが、その瞬間グリーン脇では1人の男が肩を震わせて泣き崩れていた。

飯田光輝トレーナー(37歳)。今年1月から専属トレーナーとして松山の米国挑戦を支えてきたが、それは昨年末に痛めた左手や背筋痛といった怪我との戦いでもあった。

「長かった。僕がもっと良いトレーナーだったらと思ったし…。ここまで来るには本当に色んなことがあって、相当追い込んだ辛いトレーニングもさせてきた。なかなか状態が良くならなかったけど、コロニアル(クラウンプラザインビテーショナル)くらいから、ようやく痛みも取れてきて…。(松山と)契約するときに“絶対にメジャーを獲る”と約束した。とりあえず初優勝だけど、これが大事。このメンバー(チーム)でメジャーに勝ちたい」。

松山自身もチーム(キャディ、トレーナー、マネージャー)の苦労は感じていた。「みんなは、自分の悪いところも沢山見ているし、そこも含めて応援してくれていると思う。これまで成績が出ない時は僕以上に苦しい思いをしていたかもしれないけど、その中でこうして結果を出せたことで恩返しが出来たのかなと思う。それをまた、次に向けて僕自身が切り替えないと次の優勝はないと思うので、みんな一緒に切り替えて頑張っていきたい」。

ミュアフィールドビレッジGCでの73ホールに及ぶ戦いが終わり、翌月曜日は体のケアをしてゆっくりと疲れをとった。そして火曜日から再び“次”を目指したトレーニングが始まっている。「体の状態を見ながら、結構追い込みましたよ」と話す飯田トレーナー。また、いつもの地道な日々が繰り返される。勝利の余韻に浸っている時間は、もうおしまいだ。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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